子どもが走るのが遅かったり体育が苦手だと「運動音痴なのではないか」と気になったり、「子どもの運動音痴を改善したいけれど、どうすればいいのか分からない」とお悩みの保護者の方もいるのではないでしょうか。
なぜ運動が得意な子どもと運動音痴な子どもがいるのでしょうか。
その原因は上手く体を使えていないことや、体幹の弱さにあり、子どもの運動体験が大きく関係してきます。
そこでこの記事では、子どもの運動音痴の原因や特徴について解説し、運動音痴を改善する方法をご紹介します。
目次
子どもの運動音痴の特徴
運動音痴の子どもに見られる特徴には以下のものがあります。
- 走るのが遅い
- 体力がない、すぐ疲れる
- 体が硬い
- 姿勢が悪い
- 上手くしゃがめない
子どもが走るのが遅かったり、体が硬くて体操が苦手なことで運動音痴に気が付くこともあるのではないでしょうか。
また、すぐに疲れてしまい長時間運動することが難しいこともあります。
これは、運動体験が少ないと体力がつかなかったり、筋肉が育たないためです。
また、あまり運動に直接関係がないように思えるかもしれませんが、筋肉が未発達だと姿勢が悪かったり、股関節が硬いままで上手くしゃがめなかったりする子どももよく見られます。
運動音痴は遺伝する?
親が運動音痴だと、子どもにも遺伝するのではないかと不安に思うかもしれませんが、運動音痴は遺伝しません。
大切なのは、運動に関わる機会の多い環境をつくることです。
スポーツ選手などは子どもも運動能力が高い場合が多いですが、これは遺伝ではなく、子どもの頃から運動するのに適切な環境が与えられているからと言えます。
逆に運動音痴だという理由で親が運動を避け、子どもも運動する機会が減ってしまうと、運動音痴になる可能性があるということです。
子どもが運動音痴になる原因は運動体験の少なさ
子どもがなぜ運動音痴になるのかというと、その原因は運動体験の少なさにあります。
ここでは、運動体験によって何が変わるのか、運動音痴は改善できるのかについて解説していきます。
運動音痴になる原因
脳は運動体験を重ねることで、動きに合った筋肉を使ったり効率的に動いたりと、スムーズに指令を出すことができるようになります。
逆に運動体験が少ないと、慣れていない動きに対応しにくかったり、体の動かし方がうまくいかないので、運動音痴の原因になるのです。
運動が得意でないと苦手意識が芽生えてしまい、運動体験の機会が減り、さらに運動から遠ざかるといった悪循環に陥ることもあります。
また、運動音痴の子どもに見られる姿勢の悪さは、体の奥にある筋肉が不足していることが原因です。
運動する時に使う体の奥の筋肉が運動不足のため発達しにくく、表面の筋肉を使って姿勢を維持するようになる為、前傾姿勢になってしまうのです。
「運動神経がいい」とは?
ではそもそも、「運動神経がいい」とは、どういう状態の事をいうのでしょうか。
神経と言っても、人間の体の中に「運動神経」という神経があるわけではありません。
運動神経がいいとは、体の動かし方や反射神経などが運動経験によって身に付いていて、思い通りに身体を動かすことができ、運動能力が高いことを意味します。
これは、運動経験を積むことで脳が成功や失敗から動きを学び、無駄のない適切な筋肉を動かし、効率的に体を使うことができる状態です。
多様な動きを習得することによって、初めての動きにも過去の類似した経験から動作を応用して上手く体を使うことができるのです。
上手な人やお手本を見てすぐに真似ができる子も、体の応用が上手にできる運動能力の高い子と言えるでしょう。
運動音痴は改善できるのか
運動音痴は改善することができますが、そのためには子どもの時に多様な運動を経験することが重要です。
子どもの運動神経は発育段階によって、大きく3段階に分かれます。
- プレ・ゴールデンエイジ:3~8歳頃
- ゴールデンエイジ:9~12歳頃
- ポスト・ゴールデンエイジ:13~16歳頃
神経の発達は早く、プレ・ゴールデンエイジ期で80%が完成するので、この頃は様々な運動や遊びによって動きの引き出しを増やすといいでしょう。
ゴールデンエイジ期は、体の動かし方を覚えたり技術を身に付けるのに適していますので、全身を使うスポーツや持久力を高めるトレーニングなどがオススメです。
ポスト・ゴールデンエイジ期は、筋力や骨格が発達する時期ですので、体力や筋力をつけるのに適しています。
しかし年齢が過ぎたからと言って改善できないという意味ではありませんので、成長段階に合わせて運動体験を増やすことが大切です。
子どもの運動音痴を改善するための方法
子どもの運動音痴を改善するためには、運動体験を増やし、正しい体の使い方を身に付けることが必要です。
ここでは、運動音痴を改善するための具体的な方法をご紹介します。
体幹トレーニングを行う
体幹が弱いとバランスを保ちにくくなり、転びやすかったり姿勢の維持が難しかったりしますが、体幹を鍛えると自分の思うように体を動かしやすくなり、様々なスポーツにも対応しやすくなります。
体幹トレーニングは、運動の基礎ができて一番伸びるといわれているゴールデンエイジ期が効果的です。
また、神経の発達していくプレ・ゴールデンエイジの時期でも、遊びなどから積極的に取り入れていくと良いでしょう。
日常生活や遊びの中でできる体幹トレーニングは以下のものがあります。
- 雑巾がけ
- 手押し車(子どもが地面に両手をついて、親が子どもの足を持って歩く)
- ボール遊び
- けんけんぱ
グッズを使ったものには以下のものがあります。
- バランスボール
- バランスボード
- トランポリン
生活の中で楽しめるように上手に取り入れてみると良いでしょう。
プロに正しい体の使い方を学ぶ
体操教室などに通い、基本的な動きをプロから学ぶことで、体の全体的な運動能力が上がり、様々なスポーツにも対応ができるようになるのでオススメです。
上記の体幹トレーニングも、体操教室であればバランス良く鍛えることができます。
子どもの年齢やレベルに合わせて指導してくれるので、効率的に体を動かすことができ、正しい体の使い方を身に付けることができます。
遊びを通して身に付ける
子どもの頃は、遊びで体を動かす機会が多く、その中で運動能力を高めることでも運動音痴を改善する効果が期待できます。
例えば、以下のような遊びがあります。
- 鬼ごっこ
- うんていやのぼり棒、ぶらんこなどの遊具やアスレチック
- 自転車
- プール
- 野球やサッカー
うんていやのぼり棒、ぶらんこなど、公園や校庭にある遊具は実は全身を使うのに適しています。
また、走ったりスポーツを楽しむことで、自然と運動能力が高められるので、外で思い切り遊ぶ機会を増やすだけでも運動音痴の改善に繋がります。
子どもの運動音痴の原因は?運動音痴の特徴や改善方法|まとめ
子どもの運動音痴の原因は運動体験の少なさにあり、運動音痴だと体力がなかったり姿勢の維持が難しかったり体が硬いなどの特徴が現れます。
運動音痴は親からの遺伝ではないので、子どもの頃から運動の機会や環境を整えてあげることができれば、親が運動音痴だからといって心配する必要はありません。
子どもの運動音痴を改善するためには、体幹トレーニングをしたり、体操教室でプロに正しい体の使い方を学ぶことが有効です。
また、生活や遊びの中で体を動かすことでも運動能力を上げることができます。
上手に楽しく体を使って運動体験を増やし、運動音痴を改善していってください。
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経歴
岐阜県立岐阜城北高校卒業後、中学硬式野球クラブチームの監督を2年間務める。(全国大会ベスト4)
現在JPCスポーツ教室の本部統括を務め、羽島本店の指導員として在籍中。
SV(スーパーバイザー)として主に関東エリアの店舗管理を行う。
資格
KOBA式体幹トレーニング Bライセンス
KOBA式体幹トレーニング Aライセンス
KOBA式体幹トレーニング Sライセンス