小学生のなかには足が速いことに憧れを抱く子どもも多く、「運動会に備えて今よりもっと速く走れるようになりたい」と相談された保護者もいるのではないでしょうか。
どうすれば足が速くなるのか分からないという方に向けて、今回は足が速くなるために意識したいポイントや、足が速くなる方法・トレーニングなどを解説します。
併せて、子どもの足が速くなるために保護者が意識すべきことも紹介するので、親子でできるトレーニング方法を実践しながら、ぜひ練習に取り入れてみてください。
目次
【目標を確認!】小学生の平均タイムを一覧でご紹介

足が速くなる方法をご紹介する前に、子どもの今の実力をチェックしてみましょう。
文部科学省が調査した令和4年度における小学生50m走のタイムを男子・女子別に分けてまとめたので、比較しながら参考にしてみてください。
学年 | 50m走 (男子) | 50m走 (女子) |
---|---|---|
小学1年生 | 10.59秒 | 10.95秒 |
小学2年生 | 10.13秒 | 10.42秒 |
小学3年生 | 9.70秒 | 10.00秒 |
小学4年生 | 9.30秒 | 9.57秒 |
小学5年生 | 8.94秒 | 9.26秒 |
小学6年生 | 8.37秒 | 9.02秒 |
【小学生向け】足が速くなるために意識したい4つのポイント

小学生のうちから足が速くなる方法を実践するなら、意識しておきたいポイントとして以下の4つがあります。
- 体の軸を意識する
- 腕を大きく素早く振る
- 膝を高く上げつま先で走る
- 足の形が三角形になるように意識する
上記を意識して走るだけでも、かけっこのタイムを縮めることが期待できるでしょう。
以下ではそれぞれのポイントについて、詳しく解説していきます。
また、子どもの走り方に違和感を覚える場合は、以下の記事で考えられる原因や対処法を紹介しているので、足が速くなる方法を試す際に、併せてチェックしてみてください。
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子どもの走り方がおかしい?原因と対処法について詳しく解説します!|JPCスポーツ教室
体の軸を意識する
速く走るためには、走る時にただ地面を蹴るのではなく、足の裏で地面をしっかりと捉えて、反動を前に進むエネルギーに変えることが重要です。
そして、地面からの反動をしっかり受け止めるには体の軸を意識することが不可欠になります。
足が速い人の走り方を見ると、力一杯走るのではなく弾むような走り方になっていますが、これは地面からの反動を体の軸でしっかり受け止めているからです。
体の軸を安定させると、足が速くなるだけでなく楽に走れるようにもなり、事故やケガ防止にも繋がるので、体幹トレーニングなどを取り入れるのがおすすめです。
腕を大きく素早く振る
速く走るためにはフォームだけでなく腕の振り方も重要とされており、具体的には腕を大きく素早く振ることがポイントです。
正しく腕を振れば骨盤の動きがスムーズになり、足も連動して効率よく前に出せるようになるため、姿勢と一緒に正しい腕の振り方も体に覚えさせましょう。
腕を振る際のコツとしては、肘が伸びた状態だと遠心力で腕振りが遅くなるため、肘は伸ばさず直角に曲げた状態を維持して振ります。
また、握りこぶしをしながら腕を振ると、余計な力が入ってスムーズに腕を触れなくなるため、手のひらは開いたままが理想的です。
膝を高く上げつま先で走る
フォーム・腕の振り方の次は「膝が高く上がっているか、つま先を使って走れているか」も大切なポイントです。
膝を上げたときの位置が低いと1歩1歩のストライド(歩幅)が狭くなり、反対に位置が高いとストライドが広くなってスピードが出しやすくなります。
かかとから着地するとブレーキがかかって思うように前に進まないため、つま先で走ることを意識しましょう。
つま先で走ると足首のバネが活性化されて跳ねるように前進でき、かけっこでのスピードアップにつながります。
足の形が三角形になるように意識する
速く走るためには「地面からの反動を前に進むエネルギーに変える」とお伝えしましたが、足を地面から離す時にエネルギーが上方向に逃げてしまうことも多いです。
走る時に足の形が三角形になるように意識して走ると、フォームが整えられ、力が分散することなく前方向へ向かうようになります。
ポイントは、後ろ足を前に出す際に、軸足と前に出す足の形が三角形になるようにすることです。
子どもが感覚を掴みにくそうにしている場合は、「膝を前に出す」ことを意識するように伝えてみましょう。
親子でできる!足が速くなる方法・トレーニング方法

足が速くなる方法としては、フォームや腕の振り方、足の使い方など意識することが大切ですが、やはり速く走れるようになるためには、日頃の練習・トレーニングを疎かにしてはいけません。
ここからは、親子でも実践できる足が速くなる方法やトレーニング方法を紹介します。
足が速くなる方法①前倒トレーニング
走る際は「前傾」を意識することが大切と言われており、具体的に前傾とは身体をまっすぐにした状態で地面に倒れ込む姿勢を指します。
前傾を意識すると地面に向かって転倒しないように足が大きく前に出るため、勝手にストライドの幅が広くなり速く走ることが可能です。
前傾のコツを掴むトレーニング方法としては、身体をまっすぐにした状態で壁に向かって倒れ込む方法があります。
身体を戻すときも身体はまっすぐの状態をキープしたまま手だけを使って戻すのがポイントで、10回程度繰り返して前傾の姿勢を身体に記憶させる練習をするとよいでしょう。
以下に足が速くなる方法である前傾トレーニングの手順をまとめましたので、子どもの練習をサポートしてみてください。
- 体をまっすぐにする
- 前傾で壁に向かって倒れこむ
- 体はまっすぐの状態のまま、手だけを使って体を元の位置に戻す
足が速くなる方法②壁トレーニング
壁トレーニングは前倒トレーニングの発展形となる足が速くなる方法で、地面をしっかり捉える感覚を身につけるのに有効です。
壁に両手をつくまでの手順は前倒トレーニングと同じで、壁に手がついたらその状態のまま足を上下に動かします。
自宅で簡単にできるのでスキマ時間などに20〜30回ほど行うのがおすすめです。
以下にトレーニングの手順をまとめました。
- 体をまっすぐにする
- 前傾で壁に向かって倒れこむ
- 足を上下させる
- 体はまっすぐの状態のまま、手だけを使って体を元の位置に戻す
なお、トレーニングの際は手足が滑って顔を打ち付けないよう、子どもをしっかりサポートしてください。
足が速くなる方法③縄跳びトレーニング
縄跳びを使ったトレーニングは足が速くなる方法の1つとしておすすめで、縄跳びをすると良い姿勢を身につけられるだけでなく脚力の強化にもつながります。
体幹や脚力が弱いと縄跳びをする際に姿勢が乱れやすく、着地もうまくいかないため飛び続けることが難しく感じるでしょう。
しかし、繰り返し縄跳びの練習をして体幹や脚力が鍛えれば、姿勢が良くなり着地も上手になるため、結果的に走った際の足も速くなる可能性が高まります。
通常の跳び方以外にも、後ろ回し跳びがおすすめです。後ろ回し跳びは、正しいフォームで跳ばないと回数を跳べないので、体の軸を意識しやすくなるでしょう。
足が速くなる方法④ヒールウォーク
ヒールウォークはかかとで歩くだけの簡単なトレーニングで、手軽にできる足が速くなる方法です。
まっすぐに立ち、そのままつま先を上げて、つま先が下がらないように注意しながらかかとだけを使って歩きます。
地面をしっかり押すのに必要な足首を鍛え、走る時につま先が下がってしまうのを防ぐことが可能です。
以下のトレーニング手順を参考に、1回10〜20歩程度を2〜3回繰り返してみてください。
- まっすぐに立つ
- その姿勢のまま、つま先をあげる
- つま先が下がらないように歩く
足が速くなる方法⑤体幹トレーニング
足が速くなる方法として、体幹トレーニングも挙げられます。
速く走るためには体の軸を意識することが大切なので、体幹を鍛えられるフロントブリッジやサイドブリッジといったトレーニングがおすすめです。
体幹を鍛えて体の安定性と可動性が向上すると全身の連動がスムーズになり、エネルギーを無駄にすることなくパフォーマンスが向上して速く走れるようになります。
体幹トレーニングは自宅でもできますが、体幹トレーニング専門クラスなどがある体操教室に通い、プロのサポートを受けるとより効率的に体幹を鍛えることができますよ。
以下がトレーニングの手順になるので、まずは試してみてください。
フロントブリッジのやり方
- うつ伏せになり、肘を胸の脇におく
- 肘と前腕、つま先で支えながら腹筋に力を入れて体を引き上げる
- 頭からかかとのラインが直線になるような状態で10秒~20秒キープする
サイドブリッジのやり方
- 右半身が下側になるように横たわる
- 肘を肩の真下になるようにおく
- 肘と前腕、右足で支えながら腹筋に力を入れて体を引き上げる
(肩と肘が床に垂直になるようにする) - 頭からかかとのラインが直線になるような状態で10秒~20秒キープする
- 逆側(左半身)で同じことを行う
今すぐ実践できる!足を速くするための裏技を解説

ここまで足が速くなるために意識したいことや、足が速くなる方法・トレーニングをご紹介してきました。
ここからは、これまでご紹介してきたことに加えて、今すぐできるちょっとした裏技をご紹介していきます。
どれも、誰にでもできる簡単なものばかりなので、0.1秒でもタイムを縮めたいと考えている方はぜひ試してみてください。
かかとにクッションを入れる
最もお手軽に足が速くなる方法は、かかと部分にクッションを入れることです。
前述の通り、速く走るためには前傾姿勢を意識することが大切ですが、子どもが前傾姿勢になる感覚を掴みにくい場合は、靴のかかとにクッションを入れてみてください。
かかとにクッションを入れて走ると自然と前傾姿勢になるので、その状態で走っているうちに前傾姿勢の感覚を掴むことができるでしょう。
ただし、慣れていないうちは逆に走りにくくなってしまうので、慣れるまで時間をかけて練習することが必要です。
靴ひもをしっかり結ぶ
靴ひもをしっかり結ぶのは当たり前のことのように思われますが、速く走るためにはとても大事なポイントです。
靴ひもが緩んでいると、走っている時に靴の中で足がずれてエネルギーが無駄に逃げてしまいます。
靴ひもをしっかり結んで、靴を足にフィットさせた状態で走るだけでスピードが出せるようになるので、走る時は子どもの靴ひもが緩んでいないか確認してみてください。
呼吸を止めない
速く走るためには呼吸を止めないことも大切です。
短距離走なら呼吸を止めて走った方がいいと思われがちですが、実は呼吸を止めないで走る方が最後まで体力をキープすることができて、速く走ることができます。
ただし、走っている時にわざわざ呼吸を意識する必要はありません。
リズムよく走れば自然と呼吸ができるので、余計なことは考えずリラックスした状態で走り、ラストスパートは息を少しずつ吐き出しながら全力で駆け抜けましょう。
子どもの足が速くなるために保護者が意識すべきこと

速く走れるようになるためには、上記のような足が速くなる方法の実践や子ども自身の努力が大切ですが、何より保護者が子どもと一緒にトレーニングに取り組むことも欠かせません。
ここからは、子どもの足が速くなるために保護者が意識すべきことを紹介します。
小学生が理解できる言葉で説明する
子どもに足が速くなる方法や、走る際の正しい姿勢を説明するときは、できるだけ小学生が理解できる言葉を使うように意識しましょう。
例えば、以下のような言葉遣いを心がけるとよいです。
- 「できるだけ背筋を伸ばすようにして走る」
- 「肘が直角になるように曲げて、手は開いて力を抜く」
- 「前に倒れ込むようにして前に進む」
難しい言葉や長い説明はせずに可能な限りわかりやすい言葉を交えながら、足が速くなる方法をコンパクトにまとめて伝えることをおすすめします。
遊びを取り入れながら練習に取り組む
走ることに苦手意識がある子どもはそのほかの運動も苦手なケースが多いため、親子で一緒にできる遊びを通じて速く走るための練習をするとよいでしょう。
例えば上記で挙げた縄跳びのほか、「ケンケンパ」「鬼ごっこ」「ボール遊び」などがおすすめで、特に鬼ごっこやボール遊びは瞬発力の向上が期待できます。
一方でケンケンパは、かかとを浮かせつつ土踏まずあたりで着地する「フラット接地」という着地方法を身につけられる練習法です。
フラット接地ができるようになれば安定感のある接地ができるようになるため、結果的に速く走ることが可能です。
スポーツ教室の利用を検討する
スポーツ教室に通えば、効率的に体幹を鍛える方法や体の使い方を教えてくれるので、結果的に足も速くなります。
豊富な知識を持つプロフェッショナルが、子ども一人ひとりの身体能力や性格に合わせて、ケガや事故に気をつけながら最適なサポートをしてくれるのも魅力です。
JPCスポーツ教室は常に無料体験・見学を行なっているため、少しでも興味のある方はぜひお近くの教室までお問い合わせてみてはいかがでしょうか。
JPCスポーツ教室 お近くの教室を探す遊びながら足が早くなる!JPCスポーツ教室のトレーニング

JPCスポーツ教室は未就園児~小・中学生の子どもを対象とした、体幹トレーニング専門のスポーツ教室です。
JPCスポーツ教室では独自の考え方である「心・考・体」の3つを大切にしており、ただ体を鍛えるのではなくメンタルや思考力も鍛えることで人間力も向上させていきます。
当教室にはいくつかのコースがありますが、足が速くなりたい小学生には「体操体幹トレーニング」がおすすめです。
特殊なマットで早く走る感覚を自然と掴める
JPCスポーツ教室「体操体幹トレーニング」の特徴の1つが、足が速くなる方法を自然と掴めるようになる特殊なマットです。
マットは低反発と高反発を兼ね備えた素材で、普通の地面よりも反発する力を感じやすいので、速く走る時の“地面をしっかり捉える感覚”を自然に掴むことができます。
また、マットの上を走ったりジャンプすることで体幹が刺激され、無意識に体幹が鍛えられる効果もあります。
楽しく脚力を上げるトレーニングができる
基本的にトレーニングは地味で大変なものが多いため、遊びたい盛りの子どもにとってトレーニングを続けるのは難しいでしょう。
当教室の「体操体幹トレーニング」では、トレーニングに友達との協力や対決する要素を取り入れることで、ゲーム感覚で楽しみながら練習に取り組むことができます。
子どもが「スポーツって楽しい」と思えることを大切にしながら運動をサポートするので、無理なくトレーニングできます。
小学生の足が速くなる方法・トレーニング方法まとめ
子どもの足が速くなるためには、まず正しいフォーム・腕の振り方・足の使い方を意識することが大切です。
さらに前傾トレーニングや縄跳びトレーニング・体幹トレーニングなどの足が速くなる方法を実践して、速く走れるようになるための体づくりを忘れてはいけません。
子どもがトレーニングを続けて自信を手に入れるためには保護者のサポートも欠かせませんが、子どもの走り方に違和感があったり、保護者だけではサポートが難しいと感じた場合はぜひJPCスポーツ教室をご利用ください。
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羽島本店
経歴
岐阜県立岐阜城北高校卒業後、中学硬式野球クラブチームの監督を2年間務める。(全国大会ベスト4)
現在JPCスポーツ教室の本部統括を務め、羽島本店の指導員として在籍中。
SV(スーパーバイザー)として主に関東エリアの店舗管理を行う。
資格
KOBA式体幹トレーニング Bライセンス
KOBA式体幹トレーニング Aライセンス
KOBA式体幹トレーニング Sライセンス