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ビジョントレーニングとは?子どもの集中力や運動能力を高める方法

ランドセルを背負って走っている男女

近年、子どもたちの集中力や運動能力の低下が顕著になってきているなかで、注目されているのがビジョントレーニングです。

ビジョントレーニングの主な効果は集中力や反応速度向上で、スポーツに真剣に取り組む小学生・中学生にもおすすめです。

本記事では、家庭で簡単にできる遊びやトレーニングをご紹介していくので、子どもの集中力不足などに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。

ビジョントレーニングならJPCスポーツ教室!

ビジョントレーニングとは?

考えている女の子

ビジョントレーニングとは、目で得た情報を脳で正確かつ効率的に処理し、適切な反応を導く力を鍛えるトレーニングです。

ビジョントレーニングをおこなうことで視線をスムーズに移動させる、動くものを追う、身体を連動させるなど日常生活やスポーツに必要な「見る力」を高められるようになります。

ビジョントレーニングを通じて「視覚情報を正確に捉え、素早く判断し、行動に移す力」が向上し、学習や運動のパフォーマンスアップにもつながります。

なぜ今、子どもにビジョントレーニングが必要なのか?

現代の子どもたちを取り巻く環境は大きく変化しています。

近年ではどんな年齢の子どももタブレット学習やスマートフォンのゲーム、動画視聴の時間が増え、視線の動きが極端に限定されるようになっています。

それにより、目を上下左右に大きく動かす場面が減っていることで、視覚情報を処理する能力が低下しているのです。

ビジョントレーニングは、こうした視覚情報を処理する能力の低下という課題を根本から解決する手段として注目されています。

ビジョントレーニングによる認知・運動機能の向上

ビジョントレーニングは集中力・反応速度・判断力・学習効率・運動能力といった総合的なスキル向上に直結します。

特にスポーツに取り組む子どもにとっては、ビジョントレーニングをしているかしていないかで試合中の瞬時の判断や反応に大きな差を生むとして注目されています。

さらに、ビジョントレーニングは特別な機器がなくても自宅で手軽に取り組めるのが魅力です。

たとえばけん玉やかるた、お手玉、フラッシュカードなどの昔ながらの遊びも立派なビジョントレーニングになります。

このようにビジョントレーニングは日常生活や学習、スポーツなどあらゆる場面で効果が期待されるトレーニングです。しかも、遊び感覚で楽しく取り組みながら自然と鍛えることができます。

視力回復トレーニングとの違い

視力回復トレーニングと勘違いされがちなビジョントレーニングですが、トレーニングの目的と効果が大きく異なります。

視力回復トレーニングは近視や遠視など視力そのものの改善を目指す一方、ビジョントレーニングは、視覚情報の処理速度や精度を向上させるもので、視力に問題がない子どもにも有効です。

ビジョントレーニングと視力回復トレーニングの違いを理解したうえで、目的に合わせたトレーニングを選びましょう。

ビジョントレーニングの3つの種類

風船で遊ぶ少年少女

ビジョントレーニングには、目的や鍛える力に応じて大きく分けて3つの種類があります。

  • 眼球運動トレーニング(見る力を鍛える)
  • 視空間認知トレーニング(理解する力を鍛える)
  • 眼と体のチームワークトレーニング(体を連動させて動かす力を鍛える)

ビジョントレーニングは遊びの延長として楽しく取り組めるものばかりです。

そのため、難しい知識や技術がなくても幼児から小学生~大人まで幅広い年齢層が無理なくスタートできます。

ここからはビジョントレーニングの基本となる3つの種類について、それぞれの特徴や効果をわかりやすく解説していきます。

眼球運動トレーニング(見る力を鍛える)

眼球運動トレーニングは、目をスムーズに動かす力(眼球運動)を鍛えるビジョントレーニングです。

眼球運動トレーニングによって、目の周囲の筋肉をバランスよく動かすことで視線を上下左右にスムーズに移動させたり、動くものをしっかり捉えたりする力が育ちます。

トレーニングによって眼球運動が安定することで、読み書きや運動のパフォーマンスが向上し、集中力の持続や学習効率の改善にもつながります。

視知覚認知トレーニング(理解する力を鍛える)

視知覚認知トレーニングは目から入った情報を脳で正確に処理し、物の位置関係や形状を把握する力を育てるトレーニングです。

この情報処理の能力は「視知覚認知」と呼ばれ、日常生活や学習、運動のさまざまな場面で重要な役割を果たします。

たとえば色や形を正確に見分ける力、見たいものと背景を区別する力、空間的な位置関係を把握する力、物の色や大きさに惑わされずに同じ形を見分ける力などが含まれます。

こうした力を育てることで、子どもたちは学習の基礎となる「見て理解する力」を養い、集中力や記憶力、理解力の向上にもつながります。

眼と体のチームワークトレーニング(体を連動させて動かす力を鍛える)

眼と体のチームワークトレーニングは、目で見た情報を正確に捉えて体を連動させて動かす力を高めるビジョントレーニングです。

このトレーニングはキャッチボールやけん玉などの遊び感覚の運動を通して、視覚と身体の連携力を鍛えることができます。

さらに、この目と体のチームワークトレーニングで養える連携力はスポーツのパフォーマンスだけでなく日常生活での動作の正確さや安全性、さらには集中力や判断力にも関係しています。

子どもの運動発達や学習支援、高齢者の転倒予防、競技力アップなど幅広い世代・目的に活用できます。

スポーツにおけるビジョントレーニングの効果3つ

野球をしている男の子

ビジョントレーニングの基礎知識をお伝えしたところで、ここからはビジョントレーニングにどのような効果があるのかを詳しく解説していきます。

まずは、ビジョントレーニングの効果をスポーツ分野に絞ってご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

プレー中の状況判断が的確になる

ビジョントレーニングで得られる最大の効果は、視覚情報を脳で迅速に処理する能力が高まる点です。

これにより、攻守入り混じるプレー中でも状況判断が的確になります。

また、ビジョントレーニングでは、集中力と合わせて目をコントロールする筋肉も鍛えるため、眼球運動の向上も期待できます。

サッカーやバスケットボールなどの様々なスポーツで、素早く動く物体を目で追い、瞬時に判断する能力を磨くことで、適切なパスやシュートを選択できるようになるでしょう。

反応速度が向上する

ビジョントレーニングで眼球運動を鍛える効果は、動いている物体や選手の動きに対する反応速度アップにも繋がります。

例えば、野球のバッティングやサッカーのゴールキーパーなどでは、人やボールの素早い動きに対して、瞬間的な判断が求められる場面が非常に多いと言えます。

「勝敗を左右する決定的な場面で好プレーを見せたい」という場合は、相手選手に反応速度で上回れるようビジョントレーニングを活用してみてください。

集中力が持続しミスが減る

ビジョントレーニングで得られる最大の効果は「集中力の向上」です。

試合中でも、応援席や関係ない選手・審判・スタッフなどの動きに気を取られ、ミスを繰り返してしまうという子どもは、技術よりも集中力の欠如が原因かもしれません。

ビジョントレーニングでは、周辺視野を広げる効果もありますが、目に入る情報を取捨選択する力を育てるトレーニングでもあります。

置かれた状況で何を目で追わなくてはいけないのかを判断できるようになれば、プレーに集中できるようになるので、凡ミスを減らしたいという方は試してみてください。

日常生活におけるビジョントレーニングの効果2つ

勉強している女の子

ビジョントレーニングには、目・脳の負担やストレスの軽減、注意力の向上といった日常生活でのメリットも期待できます。

ここでは、家庭や学校で実感できるビジョントレーニングの効果を説明していくので、ビジョントレーニングを試すか悩んでいる方は参考にしてみてください。

読み書きのスピードアップと正確性の向上

ビジョントレーニングを通じて視覚情報の処理能力が向上すると、読書や筆記のスピードが格段に速くなります。

例えば、子どもの音読を聞いていて、行を読み飛ばしたり、同じ行を繰り返し読もうとしたりすることが多い場合、眼球運動と読むスピードが合っていないことが原因の1つです。

眼球運動をコントロールする筋肉を鍛えるビジョントレーニングなら、視点を合わせる力を養えるため、正確に読む・書くといった技術が向上します。

目の疲れやストレスの軽減

ビジョントレーニングによって視覚処理がスムーズになると、スマートフォンやタブレットの操作・長時間の勉強による目の疲れが軽減されます。

子どもであっても、目の疲れは痛みや肩こりといった身体的な不調やストレスを引き起こすため、リラックスした状態で集中力を維持できる能力は重要です。

子ども達の電子機器使用や勉強時間が増加している昨今、スポーツ能力の向上を目的としなくてもビジョントレーニングの利用はおすすめと言えます。

JPCスポーツ教室でけん玉ビジョントレーニングがスタート!

体幹トレーニングを教えているJPCスポーツ教室では、新たな取り組みとして「けん玉を活用したビジョントレーニング」をスタートしました。

実はけん玉は遊び感覚で楽しみながら、目と体の連携や集中力を高められる優れたビジョントレーニングなのです。

ビジョントレーニングが初めてという方でもけん玉ならケガの心配も少なく、安心して始められます。

見る力を楽しく育てたいなら、ぜひJPCスポーツ教室で「けん玉ビジョントレーニング」を体験してみてください!

けん玉ビジョントレーニングの詳細はこちら

けん玉がビジョントレーニングに最適な理由

けん玉を使ったビジョントレーニングは、実際に多くのアスリートも取り入れている注目のビジョントレーニングです。

けん玉の基本動作は、玉の動きを目で追い、落下地点を予測し、タイミングよく皿を動かしてキャッチするという流れです。

この一連の動きには、「見る」「考える」「動く」といった、スポーツに欠かせない重要な要素がすべて詰まっています。

けん玉はこのように視覚と身体の連携を養いながら、集中力や反応力も同時に鍛えられるため、ビジョントレーニングの中でも特におすすめできる方法です。

遊びながらできる!家庭でできるビジョントレーニング10選

リビングにいる4人家族

ここからは、家でも簡単に試せるビジョントレーニングを10選ご紹介していきます。

  • けん玉
  • かるた遊び
  • お手玉キャッチ
  • ティッシュキャッチ
  • フラッシュカードトレーニング
  • ダーツゲーム
  • 色探しゲーム
  • まねっこゲーム
  • 風船バレー
  • けんけんぱ

どれもトレーニング感がなく、「これならできそう」「ちょっと試してみたい」と思えるトレーニングなので、親子で楽しみながら取り組み、自然に視覚スキルを鍛えましょう。

けん玉

けん玉は玉の動きを目で追いながら正確に皿や剣に乗せる動作を行うため、動体視力や空間認識力、集中力を高めるのに効果的なビジョントレーニングです。

さらに、けん玉を繰り返し練習することで目と体が連動し、目で見た情報をもとに連動させて体を動かす力が養われます。

けん玉の難しい技にチャレンジしたり、タイムアタック形式で遊ぶなどゲーム感覚で取り組めるビジョントレーニングのため、飽きずに楽しみながら視覚スキルを伸ばすことができます。

かるた遊び

かるたは読み札を聞いて素早く絵札を取るため、瞬間的な判断力と視覚情報処理能力を鍛えるのに最適です。

かるた遊びを繰り返すことで、集中力や反射的な行動が強化され、視覚情報を瞬時にキャッチする力が向上します。

競争形式で行うことで真剣さも増すので、家族で罰ゲームやご褒美を決めるなど、楽しみながら視覚スキルを磨くことができます。

お手玉キャッチ

お手玉キャッチは、投げたお手玉を正確にキャッチすることで動体視力と手と目の連携を鍛えるトレーニングです。

両手に持ったお手玉を同時に放り投げてキャッチするだけなので、ボールでも代用可能です。

また、親が子どもに複数のお手玉を同時に投げ渡すと難易度が上がるため、さらに効果的です。

お手玉キャッチを毎日繰り返すことで、反応速度やバランス感覚も向上し、スポーツに必要なスキルを楽しく身につけられます。

ティッシュキャッチ

ティッシュキャッチは、空中に投げたティッシュを落とさないようにキャッチする遊びで、軽い物体の不規則な動きを追うための動体視力や反射神経が鍛えられます。

ティッシュキャッチは特別な道具を必要とせず、今すぐ簡単に取り組めるため、日常生活にも取り入れやすいトレーニングです。

ただし、ティッシュキャッチでは上を向いたまま、左右前後へ動き回るため、周囲の安全を確認しながら行なうようにしてください。

フラッシュカードトレーニング

フラッシュカードトレーニングでは、一瞬だけ見せたカードの内容を覚えることで瞬間視と記憶力を同時に鍛えます。

カードを瞬間的に把握する能力が試されるトレーニングなので、慣れてきたら2枚、3枚とカードの枚数を増やして難易度を上げるのもおすすめです。

また、毎日のトレーニングに子どもが飽きてしまうようなら、数字や絵柄などカードの種類を変える、他のトレーニングと組み合わせるなど工夫してみてください。

ダーツゲーム

ダーツゲームは、的を狙って投げることで手と目の連携を鍛えることができ、集中力向上の効果もあります。

家族で得点を競い合うなど、勝負の要素を取り入れれば、楽しみながら視覚スキルを向上させることが可能です。

また、ダーツが家にない場合は、段ボールやペットボトルなどで的を作り、ボールを投げて倒すことでも近い効果が得られるので、ぜひ試してみてください。

色探しゲーム

色探しゲームは指定された色を周囲の環境から素早く見つける遊びで、視覚情報を取捨選択する力を鍛えます。

場所を選ばず、どこでも簡単に実践できるため、親子で遊びながら観察力や注意力を高めることができます。

周囲に色が見つからないという場合は、折り紙や色ペンを周囲に配置することでも挑戦できるので、ビジョントレーニングを今すぐ始めたい方におすすめです。

まねっこゲーム

まねっこゲームは、他の人の動作を見てそっくりそのまま真似する遊びで、視覚情報を素早く動作に変換する力が養えます。

簡単なビジョントレーニングの中でも、体を動かすことがメインになるため、座ったままのトレーニングでは飽きてしまうという子どもにおすすめです。

また、慣れてきたらスピードアップしたり、動きを複雑にしたりすることで、難易度を上げられるので、遊び感覚で試しやすいトレーニングです。

風船バレー

風船バレーはゆっくりと不規則に動く風船を目で追いながらタイミングよく打ち返す遊びです。

そのため、動体視力や予測力、反応速度を高めるのにぴったりなビジョントレーニングです。

さらに風船の動きは一定でないため、視覚的な注意力が自然と養われ、目と体の連携も強化されます。

風船バレーのルールを工夫したり、制限時間を設けたりすることでゲーム性が高まり、子どもから大人まで楽しみながら視覚機能をトレーニングすることができます。

けんけんぱ

けんけんぱは決められたリズムに合わせてマークの上をジャンプする遊びで、視覚的な情報を正確に捉えて体を動かす力を育てます。

けんけんぱで視線を動かしながら足元のマークを確認することで、視覚の切り替え能力や空間認識力が高まり、バランス感覚や運動計画力も同時に鍛えられます。

さらにジャンプの順番を変えたり、色付きの輪を使って指示を加えたりと工夫次第で難易度や楽しさをアップでき、遊びながら自然に視覚スキルを伸ばすことができます。

まとめ|ビジョントレーニングとは?子どもの集中力や運動能力を高める方法

ビジョントレーニングは、集中力や運動能力を高めるだけでなく、学習や日常生活、さらにはスポーツパフォーマンスの向上にも役立つ効果的なトレーニングです。

また、本記事でご紹介したビジョントレーニングは遊び感覚で楽しみながら視覚スキルを鍛えられるものばかりなので、飽き性な子どもにもおすすめです。

JPCスポーツ教室ではこうしたビジョントレーニングを実際に取り入れ、けん玉を使った楽しいプログラムを通じて「見る力」「考える力」「動く力」を総合的に伸ばしています。

本記事を参考に、「やってみたい」「続けてみたい」と思える工夫を取り入れながら、ぜひJPCスポーツ教室のビジョントレーニングも活用して、お子さまの成長をサポートしてみてください。

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監修者情報
服部優希
服部優希
JPCスポーツ教室
羽島本店

経歴
岐阜県内の幼稚園、保育園で体操指導員として2010年より10年間指導にあたり、現在JPCスポーツ教室羽島本店の指導員として在籍中。
SV(スーパーバイザー)として主に愛知エリア・九州エリアの店舗管理を行う。

資格
KOBA式体幹トレーニング Sライセンス
NESTA キッズコーディネーション トレーナー
子ども身体運動発達指導士

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