「ランドセルが重くて学校行きたくない…」
「腰も肩も痛い…」
と毎日訴える子供をみていると、毎日車で送迎できるわけではないですし、代わりに親が持ってあげることもできないので今後の精神面や健康状態が心配ですよね。
少しでも子供の負担を減らしてあげられる方法はないか、と悩んでいませんか?
この記事では重いランドセルが体に与える影響や、今すぐできる効果的な対策を3つご紹介します。
「毎日辛そうにする子供を少しでも楽にしてあげたい」と思う方は、ぜひ最後までお読みください。
目次
そもそもランドセルが重たいのはなぜ?
ランドセルの重さ自体は昔と比べてほとんど変わっていませんが、今の子供たちのランドセルを持つと、あきらかに重くなっているのがわかります。
その原因は大きく3つです。
- 大きく厚くなっている教科書
- 1キロ超えのタブレット
- 置き勉制度が整っていない
親世代が小学生だった頃のデータと現在のデータ比較しながら、順番に説明します。
大きく厚くなっている教科書
昔の教科書 | 現在の教科書 | |
---|---|---|
サイズ | B5サイズ | A4サイズ |
重さ | 約2.2kg | 約4.6kg |
参照:教科書やタブレットで重量化…『重すぎるランドセル』前傾姿勢で猫背の子供も 専門家が指摘する“負の影響”
2011年から「脱ゆとり教育」が実施されたことで、教科書に挿絵が追加されたり全面カラーによって厚みが増していることなどが原因で、年々重くなっているのです。
さらに高学年になるともっと厚くなるので、その分重さも増していきます。
子供達が興味を引くように工夫されたのは良いことですが、今後ますます登校時のランドセルが重くなるなら今から対策を練る必要がありますね。
1kg超えのタブレット
2020年から「ICT教育推進」が進んだことで、1人1台のタブレット端末が導入されましたが、その重さは約1.2kgです。
ケースや充電器なども持ち歩くとさらに重くなるので「タブレットに教科書の内容を全て入れてほしい」という声も上がっていますが、文部科学省が指定した容量では全てをインストールできないことや金銭的な問題で、そういった要望に応えるのは難しいのだそうです。
教科書とタブレットを合わせた5.8kgにもなる荷物を小さな小学生が毎日背負っていると思うと、大人が思う以上に体への負担は大きいことがわかります。
置き勉制度が整っていない
2018年に文部科学省が「置き勉」を正式に認めたにも関わらず、いまだに禁止している学校も存在しています。
その理由は大きく2つあります。
- 毎日の学習道具を用意する習慣づくり
- 忘れ物をしないためのトレーニング
「ランドセルが重くなるし、忘れ物も防げるから教材は置いていきたい」という子供達の思いとは裏腹に、生徒指導の一環として置き勉を認めない学校も少なくありません。
持ち物を管理する習慣をつけるのは良いことですが、教科書の他に水筒やタブレットなど重い荷物が増えているのも事実なので、複雑な思いを抱える親子も多いです。
『ランドセル症候群』による身体への影響
ランドセルが重いことを理由に心身ともに不安定になることを「ランドセル症候群」と言い、今は小学1年生〜3年生の約9割、3人に1人の子供がランドセルを「重い」と訴えています。
「ランドセル症候群」の主な症状は大きくは2つに分かれていて、思ってる以上に深刻な問題です。
- 猫背による腰痛や肩こり
- 情緒不安定になりやすい
順番に説明しますね。
猫背による腰痛や肩こり
まずは身体の不調です。
- 腰痛
- 肩こり
- 筋肉痛
ランドセルを支えきれず背中が丸まって猫背になり、腰痛に悩む子供が増えています。
猫背になるということは体幹が弱いということなので、放っておくと将来腰痛が悪化して慢性的な痛みで悩まされたり、転んで怪我をしやすくなるかもしれません。
他にも、ランドセルが重すぎて肩こりになったり、皮膚が擦れて肩周りが赤くなり、かゆみを感じたりします。
筋肉痛なら子供でもなり得ますが、10歳未満の子供が腰痛や肩こりを訴えるのは普通じゃないですよね。
情緒不安定になりやすい
昔はランドセルを背負ったまま走り回る子供の姿もありましたが、今は歩いただけでフラつくほど重いので「通学ブルー」になり登校拒否になる子供も増えています。
本来であれば、荷物の重さは体重の10%の重さがちょうど良いとされています。体重約20キロの子供で例えると、通常2キロがベストです。
しかし、実際に背負ってる荷物は倍以上の約4.5キロ〜6キロ超えなので、体重60キロの大人がおおよそ15キロのお米を毎日持って出勤しているような感覚になります。
想像するだけで憂鬱になるのに、実際に子供達がそれを毎日持ち歩いてるとなると、学校へ行くのが嫌になるのも納得ですよね。
重たいランドセルに対して効果的な対策3つ
置き勉もできず持ち物の重さも減らないなら、各々で対策を練った方が効率が良いですよね。
次に、重たいランドセルを少しでも軽く感じられる方法を3つご紹介します。
- 肩ベルトを調節する
- 教科書の入れ方に気を付ける
- 体幹を鍛える
順番に説明しますね。
肩ベルトを調整する
まずは苦しくならない程度に肩ベルトを調節して、ランドセルと体を密着させましょう。
調節する際は、下記2つを意識してください。
- ランドセルが肩よりも高い位置になるよう調節する
- 身体がとランドセルが密着するようにする
ランドセルを肩の位置よりも高くして背中の隙間を埋めると、重心が前の方に寄って重さを感じにくくさせます。
また、ランドセルが体にフィットすると、背筋が伸びて猫背防止にもなり一石二鳥です。
肩ベルトを調節するだけでも重さをだいぶ軽減できるので、成長に合わせて微調整してあげてくださいね。
教科書の入れ方に気を付ける
教科書の入れ方を工夫するだけで、ランドセルの重さを軽減できます。
- 重いものは背中側、上に入れる
- 隙間を埋める
ランドセルの内側から「重いもの→軽いもの」となるように入れると、重心が内側にきてフラつきにくくなり、水筒などの小さくて重いものはなるべく上の方に入れると安定感が出て歩きやすくなります。
また、中に隙間ができたらタオルなどでその隙間を埋めてあげましょう。
隙間があると、歩くたびに中の教科書や筆箱があちこち動いてしまい、バランスを崩して転びやすくなってしまいます。
入れ方に気を付けるだけで転倒防止にもなるので、まずは肩ベルトを調節したら教科書の入れ方を子供に教えてあげてください。
体幹を鍛える
体幹が弱いまま重いランドセルを背負い続けると、体が支えきれずやがて猫背が目立ってしまいます。
コロナ禍による運動不足が原因で、体幹が弱い子供が非常に多くなりました。
体幹を鍛えると、重たいランドセルを支える力がつく以外に4つのメリットがあります。
- 転倒リスクを防げる
- 風邪を引きにくい
- 姿勢が改善され前向きになる
- 運動することでストレス発散になる
自宅でインターネットやYouTubeを見ながら子供と一緒に鍛えるのも良いですが、いつも同じ内容だと好奇心旺盛な子供はやがて飽きてしまうかもしれません。
継続して体幹を鍛えるために、体操教室などに通って体づくりのプロに任せた方がより効果を期待できます。
親が精神面や健康面もサポートしてあげられる方法は限られているので、子供自身が重さに負けない体づくりができる環境をつくってあげましょう。
重たいランドセルから子供達を守るために|まとめ
置き勉制度が定まらないなか、持ち物が増えて「ランドセル症候群」になってしまう子供達が増加しています。
なので、肩ベルトを調節して教科書の入れ方などを工夫してもあまり変化がなければ、体操教室に通って体幹を鍛えましょう。
特に、東海地方を中心に展開している「JPCスポーツ教室」は、体幹トレーニングに特化した体操教室で、運動の得意不得意に関わらず生徒が飽きないように毎週メニューを変えてレッスンしています。
友達と楽しく通ってるうちに体全体の筋力が育って、猫背が改善されたり子供の表情が明るくなっていくと嬉しいですよね。
年々重くなっていくランドセルにも負けない体を作るために、ぜひ最寄りの教室へ問い合わせてみてください。
JPCスポーツ教室 お近くの教室を探す羽島本店
経歴
岐阜県内の幼稚園、保育園で体操指導員として2010年より10年間指導にあたり、現在JPCスポーツ教室羽島本店の指導員として在籍中。
SV(スーパーバイザー)として主に愛知エリア・九州エリアの店舗管理を行う。
資格
KOBA式体幹トレーニング Sライセンス
NESTA キッズコーディネーション トレーナー
子ども身体運動発達指導士