卓球で激しいラリーが続いたり、強い球を打ったり受けたりすると、体勢が崩れてしまいミスしたり点を取られてしまう、なんてことはありませんか?
卓球に体幹が重要というイメージはあまりないかもしれませんが、球を打つ時の姿勢を保つためには体幹が大きく関わっています。
また、卓球の素早いフットワークや球を打つなどの動きは、腕や足よりも先に体幹にある大きな筋肉がまず動いて、さまざまな筋肉が連動しているのです。
ここでは、卓球で体幹を鍛えるメリットや、卓球に必要な筋肉、自宅でできる体幹トレーニングについてご紹介します。
目次
体幹を鍛えることで得られる卓球への効果
顔や首、腕や足などを除いた体の中心部分である体幹にはさまざまな筋肉があります。
この体幹を鍛えることは、体の中心をしっかり支え、体の軸を安定させることにつながるのです。
ここでは、体幹を鍛えることがどのように卓球の上達に関係するのか、メリットについて解説します。
ラリー中の体勢維持
卓球は高速のラリーが続くことも多く、時にはスピードの速い球を打ったり離れた位置で打つことになり、その際に体勢が崩れてしまってミスにつながることがあるのではないでしょうか。
体幹を鍛えて体の中心をしっかりさせることで、動いても体勢が崩れにくくなり、ラリーが続いた時などに安定して球を打ち続けることができるようになります。
また、離れた球を追った後に崩れた体勢のままでは相手にチャンスを与えてしまうことになります。
素早く体勢を立て直し、次に備えることができるようになる為には、体幹を鍛えておく必要があるといえるでしょう。
フットワークの強化
卓球は、低い姿勢をとることも多いですが、これも体幹を鍛えておくことで姿勢を保ちやすくなります。
前後左右の素早い動きと力強いフットワークが求められる卓球において、よく動く下半身によって体全体がぶれないように、安定した体の軸を保つことが重要です。
また、素早い動きの中でラケットに力を伝えるためには、下半身の動きと手の動きを体幹を通して十分にコントロールする必要があります。
瞬間的に力を出すことも、体幹がしっかりしていることが前提となるのです。
持久力やバランスの向上
体幹にある大きな筋肉を鍛えて筋肉が丈夫になると、無駄なエネルギーを使わなくなり持久力を高めることができます。
また、体の軸が安定してスイングの無駄が減ると不必要な動きがなくなり、疲労を軽減することができます。
さらに姿勢をしっかりと保つことでバランスが良くなり、その結果ケガをしにくくなることにもつながるでしょう。
体幹を鍛えるということは、体の使い方が全体的に上手になるということでもあるのです。
卓球に必要な筋肉は主に3つ
卓球は全身の筋肉を使う競技ですが、特に必要な筋肉は主に以下の3つです。
- 手首
- 下半身
- 体幹
ここでは、ひとつずつ筋肉の使い方について解説します。
手首の筋肉の必要性
球に回転をかけることは卓球に欠かせませんが、その際に使うのが手首の筋肉で、球のコントロールにも必要です。
また、素早くラケットを動かすことや台の上での繊細な動きに対応する時だけでなく、手首を使わないドライブなどの動きをする時にも、しっかり固定するためには筋力が必要になります。
下半身の筋肉の必要性
フットワークに重要な下半身の筋肉、特に太ももは大きな負担がかかるので、しっかりと鍛えておく必要があります。
球の位置に合わせた動きだけでなく、体重をかけて力強く球を打つ時にも重要になります。
下半身の筋肉を鍛えることで、体幹と同様に体全体の安定感の向上にもつながります。
体幹
そして、これまでご紹介した体幹は体勢維持や体全体をバランスよく使うために必要です。
卓球の中で様々な動きに対応するために、まず瞬間的に体幹にある大きな筋肉が動いて、それに連動するようにして手や足の筋肉が動いているのです。
そのため、体幹を鍛えておくことは、上半身や下半身の力をさらに発揮することにつながります。
自宅でできる体幹トレーニング
体幹トレーニングといっても、様々な種類や強度がありますが、ここでは日常生活の中に無理なく取り入れることができるトレーニングの方法をご紹介します。
体幹を意識する習慣を身に付けることができれば、卓球をはじめとしたスポーツ全般に生かすことができます。
さらに鍛えたい場合は、強度を上げたトレーニングや、プロに教わるなどの方法を検討してみると良いでしょう。
フロントブリッジ
フロントブリッジは、腹筋を中心とした全身を使い、姿勢を支えるインナーマッスルを鍛えることができるので、姿勢の改善や持久力がつきます。
自分の体重だけが負荷なので、ケガのリスクが低く、道具も使わないので初心者でも挑戦しやすいトレーニングです。
フロントブリッジのやり方
1.肩と肘が垂直になるように床に付き、両手は真っすぐ前に伸ばす2.肩よりも少し狭い幅で足を後ろに伸ばし、体重をつま先で支える
3.顔は前を見て、足から首まで板のようにまっすぐにしてキープする
10秒~20秒を目安に2~3セット行なうのがおすすめですが、初めは難しいかもしれませんので、短い時間からスタートして慣れてきたら徐々に時間を伸ばしてください。
フロントブリッジは、しっかりと重心をキープすることが大切なので、疲れてお尻がだんだんと下がらないように、背中が真っすぐな状態を維持するように意識しましょう。
呼吸も意識して安定させ、全身に圧力をかけるようにするのがポイントです。
慣れてきて負荷を高めたい方は、どちらかの足をあげてひざは曲げずにまっすぐにして片足でキープしてみてください。
サイドブリッジ
サイドブリッジは、先ほどのフロントブリッジより少し難易度が上がりますが、主にわき腹からお腹周りの筋肉を鍛えることができます。
サイドブリッジのやり方
1.右半身を下にして横たわる2.右ひじを肩の真下において床につき、右肘に重心をおいて体を持ち上げる
3.頭から足まで一直線の姿勢をキープする
10〜20秒を目安に、左右3セットずつ行います。
サイドブリッジで一番大切なポイントは、頭から足までを一直線にすることですので、頭が前に出たり、反り腰になったりしないように注意しましょう。
少し遠くにある物に視線を定めることで、重心が安定して体幹がぶれづらくなります。
慣れてきて負荷を高めたい方は、床についていない方の手を真上に挙げたり、上側の足をあげて両足を開くと、さらにバランスがとりづらくなり難易度をあげることができます。
床が硬くて肘が痛い場合は、タオルやヨガマットなどを使うといいでしょう。
卓球で体幹を鍛えるメリットは?必要な筋肉とトレーニング|まとめ
体幹を鍛えることは、卓球において重要な姿勢維持やフットワークの強化、持久力を高めるメリットがあることをご紹介しました。
また、姿勢をしっかり保つことができるとバランスもよくなり、ケガの予防にもつながります。
卓球で主に使う手首、下半身、体幹の筋肉は、体幹を通してつながっているので、どれもバランスよく鍛えておくことが重要です。
ここでは、無理なくできる体幹トレーニングとして、フロントブリッジとサイドブリッジのやり方を解説しました。
体幹を意識して体全体を安定させることで、卓球のさらなる上達に生かしてください。
羽島本店
経歴
岐阜県内の幼稚園、保育園で体操指導員として2010年より10年間指導にあたり、現在JPCスポーツ教室羽島本店の指導員として在籍中。
SV(スーパーバイザー)として主に愛知エリア・九州エリアの店舗管理を行う。
資格
KOBA式体幹トレーニング Sライセンス
NESTA キッズコーディネーション トレーナー
子ども身体運動発達指導士