ハンドボールでもっと強いシュートを打ちたい、当たり負けしない身体をつくってもっと上達したいと思っていませんか?
ハンドボール上達には、技術的な練習だけではなく、プレーを支える身体づくりも欠かせません。なかでも重要なのは、身体の軸となる体幹を安定させること、ボールコントロールに関わる握力の強化、そしてジャンプ力・瞬発力を支える下半身の強化です。
この記事では、ハンドボールに効果的な体幹トレーニングやその効果を中心に、握力強化の方法や、実践しやすい練習メニューまでわかりやすく紹介します。
目次
ハンドボール上達に欠かせない部位は?
ハンドボールでシュート力やパスのコントロールを高めたり、相手に当たり負けしない身体を作るためには、技術練習だけでなく身体の強化も欠かせません。
体幹や握力、下半身などそれぞれの部位が異なる役割を担っており、プレーに必要な動きを支える筋肉をバランスよく鍛えることが、より安定したプレーや技術向上につながります。
ここでは、ハンドボール上達に欠かせない強化したい部位について解説します。
プレーの土台となる体幹
体幹とは、お腹や背中、骨盤周りなど胴体部分の筋肉を指します。
走る・止まる・跳ぶ・投げるなどの動作を安定して行うためには、体幹の強さが欠かせません。
特に強いシュートを打つためには、胸を張り上半身を真っすぐ起こした状態で地面を強く蹴ってジャンプすることが重要ですが、上半身が前傾すると腕の振りが小さくなり、シュートの力を十分に発揮しにくくなってしまいます。
こうした姿勢を保つのに重要なのが、身体を前へ曲げる働きのある腹筋や身体を支えて伸ばす働きのある背筋です。
互いにバランスを取りながら姿勢を安定させているため、両方をバランスよく鍛えることが大切です。
ボールコントロールに関わる握力
握力が不足するとボールをしっかり保持しにくくなり、パスやシュートのコントロールにも影響しやすくなるため、素早いボール操作を行ううえでも握力の強化は欠かせません。
ポジションによっては試合の中で何度もボールを受けたり投げたりするため、一時的な握力だけでなく、試合後半まで力を維持できる持久力も求められます。
また、力任せに腕の力だけで投げると肩や肘への負担が大きくなり、ケガや痛みにつながる恐れがあるため、体幹を含めた身体づくりと技術のバランスを意識することが大切です。
ジャンプ力や瞬発力を支える下半身
ハンドボールでは、ジャンプシュートや素早い切り返し、ディフェンス時の踏ん張りなど、下半身を使う動作が多くあります。
特にジャンプシュートでは、走りながら高く跳び、空中でシュートを打つ動作が求められますが、この時に重要になるのが股関節の動きです。
股関節はさまざまな方向へ動く関節ですが 、高いジャンプにつなげるためには、脚を後ろへ伸ばす股関節の伸展動作がポイントになります。
股関節をしっかり伸ばせるようになると、踏み込み時に力を発揮しやすくなり、より高い位置からのジャンプシュートにつながります。
これらの動きを支えているのが、お尻の筋肉である大臀筋(だいでんきん)や、太ももの裏側にあるハムストリングスです。
ハンドボールではジャンプ力や瞬発力を支えるためにも、下半身の筋肉を鍛えることが重要です。
ポジションによって異なる強化部位
ハンドボールではポジションによって求められる動きが異なるため、重点的に鍛えたい筋肉にも違いがあります。
例えば、ポストプレーヤーやゴールキーパーは、助走を使わず瞬発的に対応する場面が多いため、止まった状態でも身体を安定させて力を発揮する筋肉の強化が重要です。
特にポストプレーヤーは、相手と接触しながら身体をターンさせる動作が多いため、身体をひねる動きを支える腹斜筋や、脚の開閉を支える股関節周りの外転筋・内転筋などの筋肉が重要になります。
またゴールキーパーは脚を大きく開いたり素早く動かしたりしてシュートを防ぐため、股関節やお尻回りの筋肉も欠かせません。
全身の連動
ハンドボールは、握力・下半身など一部だけを使うのではなく、全身の筋肉が連動することで強いシュートや安定したプレーにつながっていきます。
例えばシュートでは、下半身で踏み込み体幹で身体を安定させた上で、肩や腕、握力を使ってボールへ力を伝えていきます。
またディフェンスでは、相手に当たり負けない踏ん張りや素早い切り返しが必要になり、走る力やバランス感覚も求められるため、複数の筋肉を同時に使っています。
そのため、腕だけ・下半身だけといった部分的な筋力強化ではなく、全身の必要な筋肉をバランスよく鍛え、体幹でしっかり支えることがハンドボール上達につながるといえるでしょう。
体幹トレーニングで期待できる効果
体幹はハンドボール上達において重要な部位ですが、強化することで実際のプレーにどのような変化があるのでしょうか。
ここでは、体幹トレーニングによって期待できる効果をご紹介します。
シュート力や球速アップにつながる
ハンドボールのシュートは腕の力だけではなく、下半身で生み出した力を安定した体幹を通して肩や腕へ効率よく伝えることで、力強いシュートにつながります。
体幹が安定すると、踏み込みやジャンプ時の力が逃げにくくなり、空中でも身体全体を使ったシュートフォームを維持しやすくなります。
その結果、球速アップにつながるだけでなく、コントロールが乱れにくいなどの効果が期待できます。
姿勢が安定し動きやすくなる
ハンドボールでは、接触プレーや急な方向転換など、バランスを崩しやすい場面も多くあります。
体幹トレーニングによって身体の軸が安定すると、相手との接触の際にも姿勢を保ちやすくなり、ディフェンス時の姿勢維持の安定などの効果が期待できます。
また、体幹は下半身の力を支える役割もあるため、ジャンプや動き出し、切り返し動作もスムーズに行いやすくなったりフォームが安定しやすくなったりするのも、体幹トレーニングによる効果のひとつです。
ケガ予防や疲れにくさにつながる
ハンドボールではジャンプや着地、急な方向転換、接触プレーなど身体へ負担がかかる動作を繰り返すため、筋肉や関節にも負担がかかりやすく、疲労がたまるとフォームの崩れやケガにつながる場合もあります。
体幹トレーニングによって身体の軸が安定すると、プレー中の無駄なぶれが減り、腰や膝、肩などへの負担軽減につながります。
また、安定した姿勢を保ちやすくなることで余計な力を使いにくくなり、試合後半でも安定した動きが可能になるなど、パフォーマンス向上だけでなく、ケガ予防や疲れにくい身体づくりにも効果が期待できます。
ハンドボールにおすすめの体幹トレーニング
体幹トレーニングは特別な器具がなくても自宅で手軽に始められて、継続することで効果を発揮します。
ただし、トレーニングの際は正しいフォームで行うようにし、無理に長時間行ったり痛みや違和感が出た場合は一旦中止してください。
回数をこなそうとしてフォームが崩れると十分な効果が得られなかったり、身体へ余計な負担がかかる場合もあります。
ここでは、ハンドボールに必要な体幹を鍛えられる具体的なトレーニングをご紹介します。
フロントプランク
体幹トレーニングの基礎であるフロントプランクは、お腹(腹直筋・腹斜筋)や背中など身体の軸を支えるインナーマッスルを効率よく鍛えることができます。
ハンドボールにおいては、接触時の姿勢を安定させ、空中でのシュートバランスを保つための土台づくりに役立ちます。
【フロントプランクのやり方】
- うつ伏せになる
- 左右の肘とつま先で身体を支える
- 頭からかかとまで一直線を保つ
疲れてきて腰が反ったりお尻が上がったりすると、腰を痛める原因になるため、常にお腹に力を入れて一直線を意識してください。
はじめは20~30秒をキープし、慣れてきたら少しずつ時間を伸ばし、60秒を目安に行いましょう。
さらに負荷を高めたい場合は、肘を片方ずつ上下していき、慣れたら同時に上げ下げします。
不安定な場合は膝をついたままでもよいでしょう。
サイドプランク
サイドプランクはわき腹にある腹斜筋など、身体の側面を鍛えるトレーニングです。
体幹の側面を強化することで、ハンドボール特有の横からの接触に対して姿勢を安定させたり、シュート時の身体のひねりを強化したりするのに役立ちます。
【サイドプランクのやり方】
- 膝を伸ばし、身体を真っすぐにして横向きになる
- 両足を揃え、下側の肘を肩の真下に置く
- 頭から足が一直線になるように腰を床からゆっくり上げる
- 身体が前後へ倒れないようにキープする
はじめは10秒程から始め、慣れてきたら左右20~30秒を目安に行います。
肩に力を入れすぎないことと、お尻が下がらないように意識しましょう。
バードドッグ
バードドッグは体幹のインナーマッスルを刺激し、体幹の安定性とバランス感覚を同時に鍛えられるトレーニングです。
対角線上の連動性を鍛えられるため、ハンドボールにおいてジャンプシュートを打つ際の空中姿勢のキープや、力強いシュートを打つための全身のバネの強化につながります。
【バードドッグのやり方】
- 四つん這いになり、手は肩の真下、膝は股関節の真下に置く
- 反対側の手と足をゆっくり伸ばす
- 身体が傾かないようにキープし、もとの四つん這いに戻る
- 反対の手足を同様に伸ばし、左右交互に繰り返す
手足を高く上げようとしすぎると腰が反ってしまい、腰痛の原因になる可能性があるため、手から足先まで一直線になる高さを意識してください。
正しいフォームで行うことで、背骨まわりの筋肉が整えられ、ひねり動作による腰のケガの予防にもつながります。
最初は左右10秒程度を目安に始めるとよいでしょう。
ツイスト系トレーニング
ハンドボールでは、シュートやパス、フェイントなど身体をひねる動作が多いため、脇腹の腹斜筋の強化も大切です。
特に空中やステップでの動きでブレない軸を作るためには、体幹と下半身のひねりを連動させることが重要です。
ここでは、ツイストの動きを取り入れた応用トレーニング「サイドランジ+ツイスト」「メディシンボール+ツイスト」の2つをご紹介します。
【サイドランジ+ツイストのやり方】
- まっすぐ立った状態から片足を横に大きく踏み出す
- 踏み出した足とは逆方向に上半身をひねる
股関節周りの柔軟性を高め、体幹と連動させることで、シュート時やフェイントの際のバランス感覚を養います。
【メディシンボール+ツイストのやり方】
- 床に座りボールを両手で持つ
- 両膝を浮かせて上半身を少し後ろに倒す
- お腹を捻りながら左右の床に交互にボールをタッチする
腹斜筋が鍛えられ、強力なシュートを打つ際に必要な上半身をひねる力を強化できます。
慣れてきたら、この捻り動作を利用しながら壁や補助人にボールを投げると、実際のシュート動作に近い感覚で体幹の力をボールに伝えるトレーニングになります。
ハンドボールにおすすめの握力強化トレーニング
ハンドボールではボールを片手で保持したり、接触の中でも素早くパスやシュートを行うため、握力はボールコントロールにおいて重要です。
また、握力は単に強ければよいものではなく、試合後半の疲労がたまった局面でも力を維持できる持久力や、指先まで安定してボールを扱える安定感も求められます。
ここでは、握力強化トレーニングをご紹介します。
ハンドグリップ
ハンドグリップは、自宅でも隙間時間に手軽に取り組める握力トレーニングで、握る・開くという動作を繰り返すことで、ボールキープに必要な前腕や手のひらの筋力を強化できます。
【ハンドグリップのやり方】
- ハンドグリップを握る
- ゆっくり力を入れて閉じ、戻すときも力を抜かずにゆっくり開く
- 左右それぞれ10~20回程度行う
力を入れすぎて手首が曲がらないように注意し、握る時と戻すとき両方を意識しましょう。
ハンドグリップの他にも、新聞紙などの紙の中心に手を置き、紙をくしゃくしゃに握りしめるように丸めることで握力を鍛えることができます。
成長期の小中学生の場合、硬すぎるハンドグリップを無理に使うと関節を傷めることがあるため、ゴムボールを握ったり戻したりするトレーニングがおすすめです。
タオルを使った握力トレーニング
家にあるフェイスタオルでできる手軽なトレーニングで、握力だけでなくボール保持にも重要な指先や前腕の筋肉を鍛えることができます。
【タオルを使った握力トレーニングのやり方】
- フェイスタオルを丸めるか、端をもつ
- 指先までしっかり使って強く握り数秒キープする
- 力を抜いて、再び同じように繰り返す
手首に力をいれすぎないように注意しながら、指先までしっかり使い、勢いではなく握り込む感覚を意識して行ってください。
慣れてきたら、タオルを雑巾のように絞る動作を加えると、握力や前腕への刺激がさらに強くなります。
お風呂で簡単握力トレーニング
お風呂に浸かりながら継続しやすい手軽な握力トレーニングです。
関節や筋肉に無理な負担をかけることなく、シュートやパスに必要な手首と指先の感覚を鍛えることができます。
【お風呂で簡単握力トレーニング】
- 湯船に浸かり、腕や手首もお湯に入れる
- 手を軽く開き、水圧を感じながら手首を左右に振る
水の中では動かすスピードを速くするほど負荷がかかるため、自分の筋力に合わせて手首や指を無理なく鍛えることができます。
慣れてきたら、ボールを持つときのように指先を少し丸めたり、手首を回したり上下に動かすなどの動きをアレンジしながら、3セット程を目安に行ってください。
体幹を支える下半身トレーニング
ハンドボールでの力強いシュートや素早い切り返し、当たり負けしない安定したディフェンスには、体幹と同時に下半身の強化も欠かせません。
特にジャンプシュートでは、下半身の力を体幹を通して上半身へスムーズに伝えることで力強い動きが可能になるため、体幹と下半身をバランスよく鍛えることが安定したプレーにつながります。
ここでは、下半身のトレーニングをご紹介します。
スクワット
スクワットは太ももやお尻を中心に、下半身全体を効率よく鍛えられる基本的なトレーニングで、ジャンプや踏み込みの際の動きに重要な役割があります。
【スクワットのやり方】
- 足を肩幅程度に開き、背筋を伸ばす
- 椅子に座るようなイメージで腰を下ろす
- 太ももと床が平行になるまで下げる
- ゆっくり元にもどり繰り返す
腰を下ろした時に膝がつま先より前に出すぎるとケガの原因になるので、必ずお尻を後ろにひくことを意識してください。
視線は常に前向きをキープしながら、10~15回を目安に行いましょう。
ランジ
ランジはシュート時の踏み込みや、フェイント時の片足でのバランス感覚を養い、下半身・体幹を同時に鍛えることのできる、ハンドボールの動きに近いトレーニングです。
【ランジのやり方】
- まっすぐ立った状態から、足を大きく前後に開く
- 前足へ体重をかけながら腰をゆっくり下ろし前後の膝を90度に曲げる
- 前の足で床を押すようにして、ゆっくり元に戻る
上半身をまっすぐに保ちながら、足を踏み込んだ際に膝が内側へ入らないように注意します。
始めは10~15回を目安に行い、慣れてきたら1分程の休憩をはさんで3セット程度行ってください。
ハンドボール向け体幹・筋肉トレーニング練習メニュー例
体幹や握力・下半身トレーニングは、それだけでは変化につながりにくいため 、バランスよく継続して取り組むことが必要です。
ただし、最初から多くのメニューを行う必要はありませんので、年齢や体力に合わせて無理なく取り入れ、正しいフォームを意識しながら続けることが重要です。
ここでは、ハンドボールに取り入れやすい練習メニューの例を紹介します。
小学生向け練習メニュー例
成長期の小学生は、重い負荷をかける練習メニューではなく、体幹を安定させながら正しい体の使い方を身に付けることが重要です。
【小学生向け練習メニュー例】
- フロントプランク:20秒×2セット
- バードドッグ:左右10回×2セット
- ゴムボール握りまたはお風呂トレーニング:10~15回×2セット
- スクワット:10回×2セット
最初はすべてをこなそうとせず、まずはできるトレーニングから始め、慣れてきたら回数やセット数を増やす方法がおすすめです。
小学生にきついトレーニングは必要ありませんので、フォームを崩さないように気をつけながら継続することを意識しましょう。
テレビをみながら行ったり、一緒に声掛けをして取り組むなど楽しく行い、頻度も毎日よりも週2~3日程度から始めてみてください。
中学生・高校生向け練習メニュー例
中学生や高校生になると骨格が発達し、筋力や技術力も上がってくるため、体幹に加えて握力や下半身強化のトレーニングを組み合わせた練習メニューがおすすめです。
【中学生・高校生向け練習メニュー例】
- フロントプランク:40秒×3セット
- サイドプランク:左右30秒×2セット
- ハンドグリップまたはタオルトレーニング:15~20回×2セット
- スクワット:15回×3セット
- ランジ:左右10回×2セット
最初から高負荷メニューを詰め込みすぎると疲労やフォームの乱れにつながるため、回数よりも正しいフォームで継続することを優先してください。
これらの練習メニューは、全体練習後や自主トレ時間に取り入れるのがおすすめですが、疲労が強い時や練習がハードな日は無理しないようにしましょう。
実際のプレーをイメージしながらハンドボールの練習と組み合わせて継続することで、実践に必要な身体づくりにつながります。
まとめ|ハンドボールのための体幹トレーニング
ハンドボールでは技術練習だけでなく、それを支える身体づくりも重要です。
特に体幹は走る・跳ぶ・投げるといった動作の土台となるため、安定したプレーにつながります。
また、握力や下半身の強化もボールコントロールやジャンプ力向上には欠かせないため、全身をバランスよく鍛え、連動させて使うことが上達へのポイントです。
今回ご紹介した体幹トレーニングや練習メニューを参考に、正しいフォームで継続しながらハンドボールの練習に取り組むことで、上達につながるでしょう。
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羽島本店
経歴
岐阜県内の幼稚園、保育園で体操指導員として2010年より10年間指導にあたり、現在JPCスポーツ教室羽島本店の指導員として在籍中。
SV(スーパーバイザー)として主に愛知エリア・九州エリアの店舗管理を行う。
資格
KOBA式体幹トレーニング Sライセンス
NESTA キッズコーディネーション トレーナー
子ども身体運動発達指導士

