「子どもが転びやすい」
「姿勢が悪く長く座っていられない」
保育園や幼稚園に通い始めて、このような子どもの様子が気になることはありませんか?
3歳4歳はまだ個人差が大きい時期のため過度に心配する必要はありませんが、この時期に体幹を意識して鍛えることで、姿勢を保つ力やバランス感覚を育みやすくなり、日常生活にもよい変化が期待できます。
この記事では、3歳4歳の時期に体幹遊びがおすすめな理由や、保育にも取り入れやすい具体的な遊びを紹介します。
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目次
体幹が安定していない時に見られやすい様子
体幹とは、頭部や手足を除いた胴体を支える筋肉のことを指し、走る・跳ぶといったダイナミックな運動だけでなく、座る・立つなどの日常生活においても重要な役割があります。
身体の動きをコントロールしたり、バランスを取ったり、力を入れたり抜いたりするためには体幹の安定が欠かせません。
3歳4歳はまだ身体が発達の途中段階であり個人差も大きいため、まわりと比べたり過度に気にする必要はありませんが、日頃の様子の中で子どもの身体の使い方に目を向け、体幹の発達を意識して見てみることは、今後の成長をサポートするうえで役立つでしょう。
ここでは、体幹が安定していない時に見られやすい様子について解説します。
姿勢が崩れやすい
座っている時に猫背になったり机や椅子にもたれかかる、また立っている時に反り腰になったりまっすぐ立てずに片足に重心がかかる、ふらふらしているなどの様子が見られることがあります。
こうした姿勢の崩れは、自分の身体を支える力が十分でなく、体幹を安定させることが難しいために起こっている可能性があります。
集中力がなく疲れやすい
じっとしていられないと「落ち着きがない」「やる気がない」と思われてしまうこともあるかもしれませんが、そういった集中力のなさに実は体幹が関係していることもあります。
体幹が安定していないと、座ったり立ったりする姿勢を保つのに余計な力を使いやすくなるため、疲れやすかったり落ち着きがないように見えるのです。
これから年齢が上がるにつれて、話を聞いたり制作に取り組んだりする時間が増えていくので、うまく身体を安定させられていないと、活動そのものに意識を向けにくくなる場合があります。
転びやすい
走ったり歩いたりしている時によくつまずいたり、バランスを崩しやすかったりするのも体幹が安定していない場合の特徴です。
また、片足立ちが苦手、ジャンプの後にうまく着地できないなどの様子が見られる場合も体幹が関係している可能性があります。
3歳4歳はまだ身体の成長途中のため、転ぶこと自体は珍しくありませんが、身体の中心を安定させる力が十分に育っていないと、姿勢を立て直したりバランスを保ったりするなど、動きの中で身体をコントロールすることが難しくなる場合があります。
手先が不器用・筆圧が弱い
「鉛筆やクレヨンなどをしっかり持ちにくい」「筆圧が弱い」「シールなど細かい作業が苦手」などの様子が見られる場合、意外と思われるかもしれませんが、身体の土台となる体幹が関係している場合があります。
体幹が安定していないと、腕や手を動かす際に手先に十分な力を伝えにくくなり、細かな動きをコントロールしづらくなることがあります。
手先の器用さが気になる場合は、全身を支える体幹にも目を向けてみましょう。
3歳4歳の時期に体幹遊びがおすすめの理由
まだ体幹の筋力やバランス感覚が発達の途中にある3歳4歳の時期に、さまざまな動きを経験することは、身体を思い通りに動かす力を育てるために欠かせません。
「姿勢が崩れやすい」「転びやすい」などといった様子が気になる時は、遊びの中で体幹を意識して使う機会を増やしてみるのがおすすめです。
ここでは、3歳4歳の時期に保育や遊びの中で体幹を鍛えることがおすすめな理由について解説します。
3歳4歳は運動能力の土台づくりの時期
3歳4歳~6歳頃は専門用語で「プレゴールデンエイジ」とも呼ばれ、神経系の発達が著しく、運動能力の土台が形成されていく時期です。
身体が少しずつしっかりしてくるこの時期に体幹を意識した遊びを行うと、走る・跳ぶ・バランスを取るなどの基本的な動きが発達しやすくなり、自分の身体がどう動いているかを把握する空間認識能力も少しずつ育っていきます。
この時期はできるだけ多様な動きをすることが重要で、その経験が将来の運動能力にも影響があるといわれているため、遊びを通して自然に体幹を鍛える機会を増やすことが大切です。
遊びなら無理なく取り組める
3歳4歳の子どもにとって単調な反復練習のようなトレーニングで身体を鍛えるのは難しいですが、遊びの中であれば自然と身体を使い体幹を鍛えることができます。
夢中になって遊ぶ中で、子ども自身が鍛えていると意識しなくても身体の土台づくりにつながります。
また、遊びは日常生活や保育の中に取り入れやすく、特別な道具や時間を用意しなくても続けやすいのも魅力です。
生活スタイルの変化や、気候の影響で、昔に比べて外遊びの機会が減少傾向にあるからこそ、3歳4歳の時期から遊びの質を意識して身体を動かすことが大切です。
日常生活によい影響が期待できる
「姿勢が崩れやすい」「転びやすい」などといった様子が気になる場合でも、体幹を意識的に使う経験を重ねることで、少しずつ身体の土台づくりにつながっていきます。
3歳・4歳から体幹を意識した遊びを取り入れることで、運動能力だけでなく保育や日常生活の中でも以下のようなさまざまなよい変化が期待できます。
- 姿勢を保ちやすくなる
- 活動に集中しやすくなる
- 転びにくさやケガの予防につながる
すぐに大きな変化がみられるわけではありませんが、日常の遊びの中で体幹を使う経験を重ねることで少しずつ安定した姿勢やバランス感覚を養っていくことが大切です。
こうした身体の土台づくりは、その後の園生活や運動遊び、学習などさまざまな活動の基礎になっていきます。
【3歳4歳向け】体幹を鍛える室内あそび
体幹が弱いというと、筋力不足だと思われるかもしれませんが、3歳4歳の時期の子どもはまだ成長途中にあるため、単純に筋肉を鍛えることを目的とするのではなく、さまざまな動きを経験しながら身体の使い方を身に付けていくことが大切です。
遊びの中で「静」と「動」を意識し、静止してキープしたり不安定な動きを組み込んだりするのがポイントです。
ここでは、家庭や保育の遊びの中で自然に体を動かし体幹やバランス感覚を鍛えられる室内遊びを紹介します。
動物のまね
想像力を働かせながら、身体全体を使って動物になりきる遊びで、体幹を中心に肩や股関節、バランス感覚なども同時に鍛えることができます。
【くま歩き】
- 両手両足を床につけて、お尻を少し高く上げた状態で進みます。
- 自分の体重を腕と脚で支えることで、肩周りやお腹、背中など全身をしっかり使い体幹を鍛えられます。
【ワニ歩き】
- うつ伏せになり、お腹を床につけたまま腕の力を使って前に進みます。
- 腕や背中、お腹周りの筋肉を連動させながら進むため、身体を支える力や体幹の安定感を育むことができます。
【うさぎジャンプ】
- しゃがんだ状態から両足を揃えてジャンプし、着地したらその場でピタッと止まります。
- ジャンプするときの下半身の力と着地の時のバランス感覚、瞬発力を鍛えることができます。
雑巾がけ
家庭でも保育の中でもできる雑巾がけは、床に雑巾を置きその上に両手をつき、足で踏ん張りながら前に進むことで、腕やお腹、背中など身体全体をバランスよく使えます。
姿勢を保ちながら進むので、体幹を自然と意識し、身体を支える力やバランス感覚が鍛えられます。
「お手伝い」を遊びに変えて取り組むことで日常にも取り入れやすいうえ、大人も一緒に参加したり競争したりするとより楽しみながら続けやすくなります。
1本橋渡り
平均台の上を歩いたり、床にマスキングテープなどを貼るなどして1本線を作り、その上を渡ることで、バランスを取りながら姿勢を保つ力を鍛える遊びです。
「橋の下は海だよ」など、想像力を膨らませながら取り組んだり、つま先歩きや横歩きなど、難易度を調整しながらアレンジして楽しめるのも魅力です。
手押し車
子どもが両手を床につき、大人が足首を持って支えながら手の力を使って前に進む遊びです。
腕や肩だけでなく、お腹や背中など身体全体を使うため、自然と体幹を鍛えることができます。
肩から足までができるだけ一直線になるようにすると、身体を真っすぐに保とうとする力が働き、体幹をしっかり使いやすくなります。
お尻が上がったり下がったりしないようにサポートし、慣れるまでは子どもの太ももを持つとバランスが取りやすくなります。
子どもの手首や腕に負担がかかりすぎないよう、短い距離から始めて無理のない範囲で行うようにしましょう。
【3歳4歳向け】体幹を鍛える外あそび
外遊びは室内よりも広い場所でダイナミックに身体を動かせるため、思い切り走ったりジャンプしながら体幹を使った遊びができるのが魅力です。
地面の凹凸や坂道など、さまざまな環境の中で身体を動かすことで、バランス感覚や身体をコントロールする力も育まれやすくなります。
ここでは、3歳4歳が楽しみながら公園や保育園など外で体幹を鍛えられる遊びを紹介します。
なわとび遊び
3歳4歳ではまだ縄を回して跳ぶのは難しい時期ですが、縄やロープなどを使ったジャンプ遊びは楽しみながら取り組めます。
例えば、地面に置いた縄をへびに見立てて左右にジャンプしたり、保護者や保育者が縄の両端を持って低く波を作りそれを飛び越えたりするなど、さまざまなアレンジをして楽しむのがおすすめです。
タイミングを合わせてさまざまな方向へジャンプすることで、空中で身体をコントロールする力やバランス感覚が育まれます。
また、着地の際にしっかり踏ん張ることで下半身の筋力や体幹を鍛えることにもつながります。
しっぽとり
しっぽとりはズボンの後ろに紐や布を挟み、鬼ごっこのように追いかけてお互いにしっぽを取りあう遊びです。
相手の動きを予測しながらとっさに方向を変えたりバランスを取り直したりする力が必要になり、自然と体幹を鍛えることができます。
走る・止まる・向きを変えるといった動作を繰りかえすことで、身体をコントロールする力やバランス感覚を育めます。
人数に関係なく楽しめるため、家族でも保育園などの集団遊びでも取り入れやすい遊びです。
ケンケンパ
砂に丸を描いたり、床にテープや輪などを並べて自由にコースを作り、「ケン・ケン・パ」とリズムに合わせて片足・両足で跳びながら進む遊びです。
片足でバランスを取りながら立ったり、両足で着地する動きを繰り返すことで、身体を支える力や不安定な体勢を立て直す力、体のコントロール力を鍛えられます。
輪の感覚を広げたり、ジグザグに並べたりすると難易度を調整できるため、子どもの発達に合わせて楽しみやすい遊びです。
遊具遊び
公園や保育園などにある身近な遊具を使った遊びも、遊具によって身体の動きが異なるため、さまざまな感覚を刺激しながら体幹を鍛えることができます。
身体が揺れる中で自然と姿勢を保とうとするため、無意識に体幹を使いながらバランス感覚を養うことができます。
特に、滑り出す瞬間や着地のタイミングで、身体を安定させようと自然に体幹を使います。
身体を支えながらバランスをとることで体幹が鍛えられるだけでなく、自分の手足をどこに置くか、どう動くか、などを考えながら動くことで空間認知能力を伸ばすことができます。
3歳4歳に体幹遊びを取り入れるコツ
3歳4歳の体幹あそびは、無理に取り組ませたり長時間続けたりする必要はありません。
大切なのは「楽しい」「またやりたい」と思えるような関わり方をしながら、日常の遊びや保育のなかに自然と取り入れていくことです。
無理せず継続する
体幹は1日に長時間取り組んだからといってすぐに大きな変化が現れるものではありません。
毎日5分だけ、隙間時間に1つだけなど、日常生活や保育の流れのなかに無理なく取り入れることで継続しやすくなります。
また、疲れていたり集中力が切れている状態で行うと、転倒やケガにつながることもあるため注意が必要です。
子どもの様子を見ながら、疲れている日は無理をせず、気分や発達に合わせて調整し「頑張る」ことよりも「楽しく続ける」を意識しましょう。
親子や保育者と一緒に楽しむ
3歳4歳くらいの子どもは、保護者や保育者、友だちと一緒に取り組むことでより意欲的に遊びに参加しやすくなります。
保護者や保育者が一緒に身体を動かしたり、「次はこうしてみよう!」「できるようになったね」と声をかけたりすることで、楽しみながら体幹を鍛えることができます。
褒めてやる気を引き出したり、チャレンジする気持ちを大事にしたりするとよいでしょう。
できた・できないで評価しない
体幹遊びを取り入れる際は、保護者や保育者がうまくできたかどうかだけに目を向けすぎないことが大切です。
3歳4歳は発達の個人差が大きい時期であり、できることや得意な動きは子どもによって異なります。
同じ遊びでもすぐにできる子もいれば慣れるまでに時間がかかる子もいますので、他の子と比べずに成長や変化に目を向けることが重要です。
体幹遊びは、遊びを通して身体の使い方を学びながら少しずつ体の土台を育んでいくことが大切です。
素足で行う
家や保育園などの安全な場所などで体幹遊びを行う際は、靴下や靴を脱いで素足で取り組むのもおすすめです。
足の裏には多くの感覚受容器が集まっているため、素足で地面や床をしっかり捉えながら動くことで脳へのよい刺激につながります。
また、足の指を自由に動かしてしっかり使えるようになることで、踏ん張る力や身体を支える力も鍛えられ、身体の使い方をより意識しやすくなります。
さらに素足は床との感覚をつかみやすいためバランスも取りやすくなり、急な方向転換や細かい動きもしやすく、体幹遊びにも取り組みやすくなります。
遊びで体幹を鍛えるメリットと保育遊び|まとめ
3歳4歳は、体幹やバランス感覚が発達していく大切な時期です。
この時期にさまざまな動きを経験し、姿勢を保つ力や身体をコントロールする力の土台をつくることで、今後の運動能力や日常生活によい変化が期待できます。
動物のまねやケンケンパなど、遊びのなかで楽しく体を動かしながら自然に体幹を使う経験を積んでいけるのが理想です。
無理なく継続しながら、保護者や保育者と一緒に楽しく取り組み、日々の積み重ねを大切に成長を見守っていきましょう。
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羽島本店
経歴
岐阜県内の幼稚園、保育園で体操指導員として2010年より10年間指導にあたり、現在JPCスポーツ教室羽島本店の指導員として在籍中。
SV(スーパーバイザー)として主に愛知エリア・九州エリアの店舗管理を行う。
資格
KOBA式体幹トレーニング Sライセンス
NESTA キッズコーディネーション トレーナー
子ども身体運動発達指導士

