「子どもの運動神経を鍛えたいけど、何をしたらいいんだろう?」とお悩みではありませんか?
とりあえず習い事をさせてみてもなかなかしっくりこず、続かない…ということも多いですよね。
小学生のうちに子どもの運動神経を鍛えたければ、コーディネーショントレーニングがおすすめです。
この記事では、コーディネーショントレーニングとは何なのか、運動神経との関連性や、小学生向けのコーディネーショントレーニングの例を紹介していきます。
目次
コーディネーショントレーニングとは?遊びを通じて運動神経を鍛えられる!
コーディネーショントレーニングとは、一言でいうと「運動神経を高めるためのトレーニング」です。
運動神経を鍛えるというと、とにかく運動をするというイメージがあるかと思いますが、実際には脳を鍛えることで運動に関係する神経回路を構築することを指します。
神経回路は一度構築されると忘れてしまうことはないので、小学生のうちからコーディネーショントレーニングを行うことで、バランスよく運動神経を鍛えられるのです。
コーディネーショントレーニングは、もともと旧東ドイツのスポーツ運動学者が考案した理論に基づいて、スポーツ選手養成トレーニングに取り入れられていました。
しかし近年、子どもの運動能力や体力の低下が課題となってきた中で、幼児から小学生の子どもの運動能力向上に有効な方法として注目されています。
7つのコーディネーション能力を鍛える
コーディネーショントレーニングを行うことで、以下の7つのコーディネーション能力を鍛えることができます。
| リズム能力 | リズムに合わせて体を動かす能力。 |
| バランス能力 | 体のバランスを維持したり、体勢が崩れたときに立て直したりできる能力。 |
| 変換能力 | 状況に合わせて自分の行動をコントロールする能力。 |
| 反応能力 | 周りからの刺激に素早く反応する能力。 |
| 連結能力 | 足や手など、体の様々な部位の運動をスムーズにつなげていく能力。 |
| 定位能力 | 周りのものと自分との距離を測るなど、空間を把握する能力。 |
| 識別能力 | 目で見た情報に合わせて体を動かす能力。 |
コーディネーショントレーニングを行うと、これらの能力をバランスよく鍛えられていきます。
コーディネーション能力が高いと、自分の思い通りに体を動かすことができる=運動神経がよくなり、器用さや怪我のしにくい体を手に入れることが可能です。
小学生などの幼い時期から鍛えることで、脳の神経回路がうまく構築され、より脳と神経回路の連携を高めることができます。
小学生向けコーディネーショントレーニング3選
コーディネーショントレーニングが運動神経を鍛えるのに有効なのは分かりましたが、実際にどんなことをすればいいのか分からないという方も多いと思います。
コーディネーショントレーニングは、何か特別な習い事をする必要はありません。
むしろ日常の遊びの中で取り入れることができる、非常に簡単で親しみやすいトレーニングです。
ここでは、誰でも簡単に取り入れられる小学生におすすめのコーディネーショントレーニングを紹介します。
じゃんけんトレーニング
じゃんけんを使ってコーディネーション能力を鍛えることができます。
ここでは普通のじゃんけんではなく、いろいろな特殊ルールによるじゃんけんがおすすめです。
例えば、「後だしじゃんけん」や「足じゃんけん」、両手と両足の動きを連動させて行う「じゃんけんジャンプ」など、いろいろな種類があります。
【例:後出しじゃんけんのやり方】
- 「じゃん・けん・ぽん」の「ぽん」のタイミングで、保護者が先に手を出す
- 子どもは保護者の出した手に負けないように、後出しで手を出す
- 以降「じゃん・けん・ぽん・ぽん」のリズムで繰り返す
これらの複雑なじゃんけんは、リズム能力や連結能力、定位能力などを鍛えることが可能です。
おにごっこトレーニング
子どもたちに人気の遊びであるおにごっこも、ルールを工夫することでコーディネーショントレーニングに様変わりします。
普通におにごっこをするだけでも反応能力や変換能力などを鍛えることが可能ですが、「鬼に背中を見せない」などのルールを追加するとより効果アップが可能です。
子どもたちが普段行っている「色おに」や「氷おに」「高おに」なども十分コーディネーショントレーニングの効果があります。
【例:氷おにのやり方】
- 鬼を決め、逃げ役は鬼が10数えるまでの間に鬼から離れる
- 鬼は逃げ役を追いかけ、タッチするとその場から動けなくさせることができる。制限時間内に全員動けなくさせたら勝ち
- 逃げ役は、凍ってしまった仲間をタッチすると解放できる。ゲーム終了時に仲間が半分以上生き残っていたら勝ち
独自ルールを作るのも発想力が必要で、楽しみながら運動神経を鍛えるのにもってこいの遊びです。
フェイントゲーム
高学年の小学生なら複雑なルールのゲームにも取り組むことができます。
フェイントゲームは「守り」と「攻撃」の2チームに分かれ、守りチームは攻撃チームに宝物を取られなければ勝利、攻撃チームは宝物にタッチできれば勝利です。
相手を出し抜くためにフェイントを駆使しながら行動するので、反応能力やリズム能力などを鍛えることができます。
例えば缶蹴り遊びのように、おにごっことフェイントゲームを合わせた要素を持った遊びもおすすめです。
【例:缶蹴り遊びのやり方】
- 鬼の陣地を決め、円の中に空き缶を置く
- 鬼が缶を蹴飛ばし、元の位置に戻すまでの間に、逃げ役は鬼に見つからない場所に隠れる
- 鬼は隠れている逃げ役を見つけたら「○○くん見つけた!」と宣言して、陣地内の缶を踏む。見つけられてしまった子は鬼の陣地内で捕まってしまう。鬼が全員見つけて缶を踏んだら鬼の勝ち。
- 逃げ役は、鬼が缶から離れている間に缶を蹴飛ばしに行く。缶をけることができたら捕まっていた逃げ役は逃げることができ、再スタート。
けんけんぱ遊び
タイミングよく片足ずつでジャンプしながら遊ぶけんけんぱ遊びは、リズム能力や定位能力を鍛えることができます。
音楽を流しながら遊んだり、場所によって使っていい足を決めたりとルールを決めることでより高い効果が望めます。
低学年の小学生でも簡単で、親子で遊ぶのにも向いているシンプルな遊びです。
他に、けんけんぱ遊びに似た遊びである「あんたがたどこさ」などもコーディネーショントレーニングに向いています。
【例:「あんたがたどこさ」のやり方】
- 地面に田んぼの「田」の字を大きく書く
- 2人がはす向かいにの位置になるように、四角の中に入る
- 「あんたがたどこさ」の歌詞を歌いながら、隣の四角へ交互にジャンプ移動する。「さ」の時だけは前の四角にジャンプする
- 一度もぶつからずに最後まで曲を歌えたらクリア
コーディネーショントレーニングは小学生までにするのがおすすめ
コーディネーショントレーニングは誰でも簡単に取り入れることができますが、より運動神経の発達を目指すなら小学生までに行うのがおすすめです。
なぜなら人間の神経系が発達する期間は限られており、4〜5歳までに急激に発達し、12歳頃にはほとんど成長しきってしまうからです。
神経系が発達する小学生頃までの時期のことをゴールデンエイジと呼び、この期間にコーディネーショントレーニングを取り入れることで高い効果が期待できます。
ゴールデンエイジとは?
ゴールデンエイジとは、幼稚園児から小学生(5〜12歳頃)までの、神経系や運動能力が著しく成長する時期のことです。
特に神経系が発達する5〜9歳、小学生では低学年に当たる時期には、大人の約80%まで神経系が成長することが明らかになっています。
つまり小学校低学年までに、おにごっこなどの遊びを通じてコーディネーショントレーニングを取り入れることで、より運動神経を鍛えることが可能なのです。
ただし低学年のうちに必ずやらなければ間に合わないということではないので、小学生のうちにたくさん遊ぶのが大事なのだなと気楽に考えるようにしましょう。
コーディネーショントレーニングとは?小学生向け運動神経の鍛え方!|まとめ
この記事では、コーディネーショントレーニングとは何か、どんな効果があるのかや、おすすめの取り入れ方などを解説しました。
コーディネーショントレーニングの特徴は誰でも楽しみながら運動神経を鍛えることができる点です。
小学生までに運動神経を鍛えることができれば、怪我をしにくい丈夫な体を作ることにもつながります。
親子で一緒にトレーニングすることもできるので、ぜひ日常のコミュニケーションに取り入れてみてくださいね。
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