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ビジョントレーニングとは?子どもの集中力や運動能力を高める方法

ランドセルを背負って走っている男女

近年、子どもたちの集中力や運動能力の低下が顕著になってきているなかで、注目されているのがビジョントレーニングです。

ビジョントレーニングの主な効果は集中力や反応速度向上で、スポーツに真剣に取り組む小学生・中学生にもおすすめです。

本記事では、家庭で簡単にできるトレーニングをご紹介していくので、子どもの集中力不足などに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。

ビジョントレーニングとは?

考えている女の子

ビジョントレーニングとは、目で得た情報を効率よく脳で処理し、適切な反応を導く力を鍛えるトレーニングです。

ビジョントレーニングを行なうことで「視覚情報を正確に捉え、素早く判断し、行動するスキル」が高められ、日常生活やスポーツでのパフォーマンス向上に繋がります。

特に、現代の子どもたちは、スマートフォンやタブレットの長時間使用による影響で、視覚情報を処理する能力が低下していると指摘されています。

現代社会に生きる子どもたちの問題を解決するために、近年、ビジョントレーニングは注目されるようになってきました。

視力回復トレーニングとの違い

視力回復トレーニングと勘違いされがちなビジョントレーニングですが、トレーニングの目的と効果が大きく異なります。

視力回復トレーニングは近視や遠視など視力そのものの改善を目指す一方、ビジョントレーニングは、視覚情報の処理速度や精度を向上させるもので、視力に問題がない子どもにも有効です。

ビジョントレーニングと視力回復トレーニングの違いを理解したうえで、目的に合わせたトレーニングを選びましょう。

スポーツにおけるビジョントレーニングの効果3つ

野球をしている男の子

ビジョントレーニングの基礎知識をお伝えしたところで、ここからはビジョントレーニングにどのような効果があるのかを詳しく解説していきます。

まずは、ビジョントレーニングの効果をスポーツ分野に絞ってご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

プレー中の状況判断が的確になる

ビジョントレーニングで得られる最大の効果は、視覚情報を脳で迅速に処理する能力が高まる点です。

これにより、攻守入り混じるプレー中でも状況判断が的確になります。

また、ビジョントレーニングでは、集中力と合わせて目をコントロールする筋肉も鍛えるため、眼球運動の向上も期待できます。

サッカーやバスケットボールなどの様々なスポーツで、素早く動く物体を目で追い、瞬時に判断する能力を磨くことで、適切なパスやシュートを選択できるようになるでしょう。

反応速度が向上する

ビジョントレーニングで眼球運動を鍛える効果は、動いている物体や選手の動きに対する反応速度アップにも繋がります。

例えば、野球のバッティングやサッカーのゴールキーパーなどでは、人やボールの素早い動きに対して、瞬間的な判断が求められる場面が非常に多いと言えます。

「勝敗を左右する決定的な場面で好プレーを見せたい」という場合は、相手選手に反応速度で上回れるようビジョントレーニングを活用してみてください。

集中力が持続しミスが減る

ビジョントレーニングで得られる最大の効果は「集中力の向上」です。

試合中でも、応援席や関係ない選手・審判・スタッフなどの動きに気を取られ、ミスを繰り返してしまうという子どもは、技術よりも集中力の欠如が原因かもしれません。

ビジョントレーニングでは、周辺視野を広げる効果もありますが、目に入る情報を取捨選択する力を育てるトレーニングでもあります。

置かれた状況で何を目で追わなくてはいけないのかを判断できるようになれば、プレーに集中できるようになるので、凡ミスを減らしたいという方は試してみてください。

日常生活におけるビジョントレーニングの効果2つ

勉強している女の子

ビジョントレーニングには、目・脳の負担やストレスの軽減、注意力の向上といった日常生活でのメリットも期待できます。

ここでは、家庭や学校で実感できるビジョントレーニングの効果を詳しく説明していくので、ビジョントレーニングを試すか悩んでいる方は参考にしてみてください。

読み書きのスピードアップと正確性の向上

ビジョントレーニングを通じて視覚情報の処理能力が向上すると、読書や筆記のスピードが格段に速くなります。

例えば、子どもの音読を聞いていて、行を読み飛ばしたり、同じ行を繰り返し読もうとしたりすることが多い場合、眼球運動と読むスピードが合っていないことが原因の1つです。

眼球運動をコントロールする筋肉を鍛えるビジョントレーニングなら、視点を合わせる力を養えるため、正確に読む・書くといった技術が向上します。

目の疲れやストレスの軽減

ビジョントレーニングによって視覚処理がスムーズになると、スマートフォンやタブレットの操作・長時間の勉強による目の疲れが軽減されます。

子どもであっても、目の疲れは痛みや肩こりといった身体的な不調やストレスを引き起こすため、リラックスした状態で集中力を維持できる能力は重要です。

子ども達の電子機器使用や勉強時間が増加している昨今、スポーツ能力の向上を目的としなくてもビジョントレーニングの利用はおすすめと言えます。

遊びながらできる!ビジョントレーニング7つを解説

リビングにいる4人家族

ここからは、家でも簡単に試せるビジョントレーニング7つをご紹介していきます。

  • かるた遊び
  • お手玉キャッチ
  • ティッシュキャッチ
  • フラッシュカードトレーニング
  • ダーツゲーム
  • 色探しゲーム
  • まねっこゲーム

どれもトレーニング感がなく、「これならできそう」「ちょっと試してみたい」と思えるトレーニングなので、親子で楽しみながら取り組み、自然に視覚スキルを鍛えましょう。

かるた遊び

かるたは読み札を聞いて素早く絵札を取るため、瞬間的な判断力と視覚情報処理能力を鍛えるのに最適です。

かるた遊びを繰り返すことで、集中力や反射的な行動が強化され、視覚情報を瞬時にキャッチする力が向上します。

競争形式で行うことで真剣さも増すので、家族で罰ゲームやご褒美を決めるなど、楽しみながら視覚スキルを磨くことができます。

お手玉キャッチ

お手玉キャッチは、投げたお手玉を正確にキャッチすることで動体視力と手と目の連携を鍛えるトレーニングです。

両手に持ったお手玉を同時に放り投げてキャッチするだけなので、ボールでも代用可能です。

また、親が子どもに複数のお手玉を同時に投げ渡すと難易度が上がるため、さらに効果的です。

お手玉キャッチを毎日繰り返すことで、反応速度やバランス感覚も向上し、スポーツに必要なスキルを楽しく身につけられます。

ティッシュキャッチ

ティッシュキャッチは、空中に投げたティッシュを落とさないようにキャッチする遊びで、軽い物体の不規則な動きを追うための動体視力や反射神経が鍛えられます。

ティッシュキャッチは特別な道具を必要とせず、今すぐ簡単に取り組めるため、日常生活にも取り入れやすいトレーニングです。

ただし、ティッシュキャッチでは上を向いたまま、左右前後へ動き回るため、周囲の安全を確認しながら行なうようにしてください。

フラッシュカードトレーニング

フラッシュカードトレーニングでは、一瞬だけ見せたカードの内容を覚えることで瞬間視と記憶力を同時に鍛えます。

カードを瞬間的に把握する能力が試されるトレーニングなので、慣れてきたら2枚、3枚とカードの枚数を増やして難易度を上げるのもおすすめです。

また、毎日のトレーニングに子どもが飽きてしまうようなら、数字や絵柄などカードの種類を変える、他のトレーニングと組み合わせるなど工夫してみてください。

ダーツゲーム

ダーツゲームは、的を狙って投げることで手と目の連携を鍛えることができ、集中力向上の効果もあります。

家族で得点を競い合うなど、勝負の要素を取り入れれば、楽しみながら視覚スキルを向上させることが可能です。

また、ダーツが家にない場合は、段ボールやペットボトルなどで的を作り、ボールを投げて倒すことでも近い効果が得られるので、ぜひ試してみてください。

色探しゲーム

色探しゲームは指定された色を周囲の環境から素早く見つける遊びで、視覚情報を取捨選択する力を鍛えます。

場所を選ばず、どこでも簡単に実践できるため、親子で遊びながら観察力や注意力を高めることができます。

周囲に色が見つからないという場合は、折り紙や色ペンを周囲に配置することでも挑戦できるので、ビジョントレーニングを今すぐ始めたい方におすすめです。

まねっこゲーム

まねっこゲームは、他の人の動作を見てそっくりそのまま真似する遊びで、視覚情報を素早く動作に変換する力が養えます。

簡単なビジョントレーニングの中でも、体を動かすことがメインになるため、座ったままのトレーニングでは飽きてしまうという子どもにおすすめです。

また、慣れてきたらスピードアップしたり、動きを複雑にしたりすることで、難易度を上げられるので、遊び感覚で試しやすいトレーニングです。

まとめ|ビジョントレーニングとは?子どもの集中力や運動能力を高める方法

ビジョントレーニングは、集中力や運動能力を高めるだけでなく、学習や日常生活、さらにはスポーツパフォーマンスの向上にも役立つ効果的なトレーニングです。

また、本記事でご紹介したビジョントレーニングは遊び感覚で楽しみながら視覚スキルを鍛えられるものばかりなので、飽き性な子どもにもおすすめです。

本記事を参考に、「やってみたい」「続けてみたい」と思えるような工夫を取り入れながら、無理なく日々の生活にビジョントレーニングを取り入れて、子どもの成長をサポートしてみてください。

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監修者情報
服部優希
服部優希
JPCスポーツ教室
羽島本店

経歴
岐阜県内の幼稚園、保育園で体操指導員として2010年より10年間指導にあたり、現在JPCスポーツ教室羽島本店の指導員として在籍中。
SV(スーパーバイザー)として主に愛知エリア・九州エリアの店舗管理を行う。

資格
KOBA式体幹トレーニング Sライセンス
NESTA キッズコーディネーション トレーナー
子ども身体運動発達指導士

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