子どもの運動の様子を見て「どうしたらもっと上手になれるのだろう」と感じることはありませんか?
もちろん練習は欠かせませんが、上達のカギは動くものを正確にとらえる力「動体視力」の向上にあるかもしれません。
成長期の小学生・中学生のうちに鍛えることで、集中力や判断力、反応速度もぐんと伸びていきます。
本記事では、動体視力の基本から家庭でできるトレーニング、さらに専門的なビジョントレーニングまでをわかりやすく紹介します。
日常に取り入れやすい方法を参考にしながら、お子さんの「見える力」と「動ける力」を一緒に育てていきましょう。
目次
動体視力とは?

動体視力とは、動いているものを素早く正確にとらえ、体へと情報を伝える力です。
止まっているものを見る視力とは異なり、目を素早く動かし対象を追う「追従力」と、見た瞬間に反応する「瞬間視」が求められます。
動体視力は年齢とともに低下するといわれていますが、子どものうちから鍛えることで、能力を高いレベルで維持しやすくなります。
また、目と体を連動させる練習を続けることで、自信をもって動ける力が育っていくでしょう。
スポーツと動体視力の深い関係

スポーツが得意な子どもは、ボールの動きや相手の動きを的確にとらえていると言われます。
ここでは、スポーツと動体視力の関係をひも解き、子どもの成長にどのようなメリットがあるのかを紹介します。
スポーツの上達に動体視力が必要な理由
動体視力が優れている子どもは、プレー中の判断が驚くほど速くなります。
例えば、サッカーではパスコースを瞬時に見つけ出し、野球ではピッチャーの投げたボールの変化を正確にとらえられるようになります。
これは、動体視力が「動きを目で追う力」と「脳で処理して体を動かす反応時間」の両方に深く関わっているためです。
情報処理が速いほど、動きは迷いなく正確になり、プレーの精度も向上します。
だからこそ、動体視力を鍛えることはスポーツ上達の大きなカギとなるのです。
子どもの動体視力が鍛えられるとどう変わる?
動体視力を鍛えることで、反応が速くなってプレーの精度が高まり、自信も大きく育ちます。
例えば、トップアスリートが「体が勝手に動く」と語るのは、視覚情報を脳が瞬時に処理し、体が自動的に反応しているためです。
動体視力が高まれば、視覚と体の連動がスムーズになり、迷いのない動きや正確な判断が生まれます。
さらに、ボールの回転やスピードの微妙な変化を素早く捉える力も向上し、プレー全体の質が一段と高まります。
だからこそ、動体視力の向上はスキルの上達だけでなく、成功体験を積み重ねるきっかけとなり、子どもの成長を力強く後押しするのです。
家でできる!子どもの動体視力トレーニング5選

動体視力は、特別な道具がなくても、日常生活に取り入れやすい方法で効果的に鍛えることが可能です。
ここでは、低学年からでも始めやすい簡単なトレーニングと、効果的なステップアップ練習を5つ紹介します。
目だけを使って動きを追う!簡単な追視トレーニング
ペンや小さなボールを左右・上下・斜めにゆっくり動かし、子どもが目だけでその動きを追いかけます。首や体を動かさず、目だけで追うのがポイントです。
慣れてきたら動かすスピードを上げたり、複雑な動きにしたりして難易度を上げてみましょう。短時間でも集中力を必要とするため、3分程度でも効果があります。
慣れてきたら、スピードを調整して取り組むとさらに効果的です。すき間時間にできるので、ぜひ習慣化してみましょう。
反射神経もアップ!キャップキャッチチャレンジ
ペットボトルキャップやコインを落として、床に着く前にキャッチする簡単トレーニングです。
シンプルですが、瞬時に判断して動くため、反射神経と動体視力が同時に鍛えられます。
家族や友人と一緒に、キャッチできた回数を競うと、楽しみながらトレーニングを継続でき、意欲も高まります。
慣れたら高い位置やランダムなタイミングで挑戦するといいでしょう。
さらに難易度を上げたい場合は、キャッチする手を左右交互にしたり、2個同時に落とすトレーニングもおすすめです。
デジタルを味方に!アプリ・動画を使った視覚トレ
スマホやタブレットを使った動体視力トレーニングアプリは、楽しみながら反応力を鍛えられるトレーニング方法です。
数字や図形を目で追ったり、決まったタイミングでタップしたりすることで、視覚処理速度を高められます。
また、記録が残るアプリなら、前回との成績を比べて達成感も味わえるでしょう。
まずは簡単な動きから、徐々に難易度の高いモードに挑戦すると飽きずに継続できます。
アプリだけでなく、動画で配信されているものもあるので、テレビやタブレットを使って家族で一緒に取り組むのもおすすめです。
遊びから実戦へ!昔ながらの遊びで動体視力強化
お手玉やけん玉、カルタといった昔ながらの遊びには、動くものを目で追い、タイミングよく反応する力を育てる要素が詰まっています。
中でもけん玉は、玉の軌道を見続けることで動体視力と集中力を同時に鍛えられる優れた遊びです。
玉を追いながら体を低く構える、一歩踏み出すなどの動作を加えると、視線と体の安定が求められ、より実戦的なトレーニングになります。
そのほかの遊びも、自然に目と体を連動させながら取り組めるため、動体視力の基礎づくりにぴったりです。
家族で楽しめば、トレーニングとコミュニケーションの両方が深まるでしょう。
ステップアップ!動きながらのキャッチボール練習
キャッチボールは、動体視力を実戦に近い形で鍛えられる基本のトレーニングです。
ただ投げ合うのではなく、左右にステップしながらキャッチする・投げる方向を直前に指示するなど、動きに変化をつけるとより効果的です。
最初はゆっくりとしたスピードで距離を縮めて始め、慣れてきたら速球やフェイントを混ぜると判断力が磨かれます。
動いている相手の位置とボールを同時に把握する力が身につき、試合中の対応力が大きく向上します。
遊びから一歩先へ!ビジョントレーニングで動体視力を強化

家庭での練習でも十分効果はありますが、より専門的に動体視力を鍛えたい場合は、専門家によるビジョントレーニングがおすすめです。
ここでは、ビジョントレーニングの基本と、メリットを紹介します。
ビジョントレーニングとは?
ビジョントレーニングは、目の動きや視覚情報の処理能力を向上させるための専門的なプログラムです。
動体視力だけでなく、目と体の連動や空間認識力、素早い判断力といった総合的な視覚能力を鍛えられます。
競技スポーツではさまざまな視覚能力が勝敗を左右することもあり、トレーニングを積むことで実践力が大きく伸びます。
スポーツのパフォーマンスを向上させたい場合や、集中力をもっと高めたい場合にも適しているでしょう。
家庭での練習とはひと味違う!専門レッスンのメリット
専門レッスンの最大の魅力は「子ども一人ひとりの目の動きや反応を丁寧に分析し、最適なプログラムが組まれること」です。
例えば、反応が少し遅い場合は判断スピードを高めるメニューを、動きを追うのが苦手な場合は視線コントロールを重点的に強化します。
また、教室では家庭では体験できない専門プログラムを活用し、短期間で視覚機能を大きく伸ばせるのも特徴です。
日々の練習では得られない達成感を味わえるため、子どものモチベーションも自然と高まります。
動体視力を効率よく、確実に向上させたい方は、家庭練習に加えて専門レッスンを取り入れることで、より大きな成長を期待できるでしょう。
子どもの動体視力を鍛える簡単トレーニング|まとめ
動体視力は、スポーツのパフォーマンスだけでなく、日常生活の安全や学習にも関わる大切な力です。
小学生から中学生の成長期に意識して鍛えることで、集中力・判断力・反応速度が大きく向上します。
家庭でも、追視トレーニングやキャッチボールなど楽しみながら続けられる方法が豊富にありますが、さらにステップアップを目指すなら専門的なビジョントレーニングも効果的です。
継続して取り組むことで、お子さんの「見える力」と「動ける力」は確実に育ち、未来の自信と成長へとつながっていくでしょう。
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羽島本店
経歴
岐阜県内の幼稚園、保育園で体操指導員として2010年より10年間指導にあたり、現在JPCスポーツ教室羽島本店の指導員として在籍中。
SV(スーパーバイザー)として主に愛知エリア・九州エリアの店舗管理を行う。
資格
KOBA式体幹トレーニング Sライセンス
NESTA キッズコーディネーション トレーナー
子ども身体運動発達指導士