「学生プロレスをやっていました。」
そう話すと、驚かれることがよくあります。
今はスポーツ教室で子どもたちに体幹トレーニングや運動指導をしたり、部活動の指導をしたりしていますが、その土台には大学4年間で経験した学生プロレスがあります。
実は、今の自分をつくってくれた一番大きな経験は学生プロレスだったと思っています。
すべての始まりは棚橋弘至選手への憧れ
私がプロレスに出会ったのは中学3年生の頃です。
テレビで初めて新日本プロレスを見た時の衝撃は今でも忘れられません。
リングの上で戦う選手たちは強いだけではありませんでした。
会場全体を盛り上げ、お客さんを熱狂させ、一人ひとりが主役として輝いていました。
その中でも特に心を奪われたのが棚橋弘至選手です。
試合の強さはもちろん、笑顔、ファンサービス、会場の空気を変える存在感。
「こんな人になりたい。」
そう思いました。
そして、いつしか夢は「新日本プロレスに入ること」になっていました。
高校卒業後、棚橋弘至さんに憧れ出身校である立命館大学へ進学した私は、その夢に少しでも近づくために棚橋さんが所属していた学生プロレス団体RWFへ飛び込みました。
最初から強かったわけではない
プロレスは華やかな試合だけではありません。
地道なトレーニング、基礎練習、筋力トレーニング、受け身の反復。
何度も壁にぶつかりました。
思うように試合ができない。
技もうまく決まらない。
悔しい思いもたくさんしました。
でも、そこで諦めようとは思いませんでした。
なぜなら、夢があったからです。
「もっと強くなりたい。」
「もっと上に行きたい。」
その気持ちだけは誰にも負けませんでした。
だから、人より練習しました。
トレーニングも続けました。
技術も研究しました。
少しずつですが、結果はついてきました。
努力は裏切らなかった
努力を積み重ねた結果、私は学生プロレス団体でタッグチャンピオンになることができました。
さらに、団体を代表する存在として試合を任されるようにもなりました。
最初は観客席から憧れの目で見ていたプロレス。
気づけば、自分がお客さんを楽しませる側になっていました。
これは私にとって大きな成功体験でした。
「努力すれば結果につながる。」
頭では分かっていても、本当にそう実感できたのはこの時が初めてだったと思います。
才能があるから勝てたのではありません。
特別なセンスがあったわけでもありません。
毎日の積み重ねが少しずつ自分を変えてくれた。
だからこそ、努力には価値があると今でも信じています。
頼られる存在になれたこと
チャンピオンになると、自分だけのことを考えていればいい立場ではなくなりました。
後輩が相談してくる。
試合を任される。
イベントを盛り上げる役割になる。
「この人なら大丈夫。」
そう思ってもらえることが増えていきました。
頼られることが本当に嬉しかったのを覚えています。
責任は増えましたが、それ以上にやりがいがありました。
今振り返ると、この経験が店舗長という立場にもつながっているように思います。
誰かを支える。
チームをまとめる。
周りから信頼される。
学生プロレスで学んだことは、社会人になってからもそのまま活きています。
人前に立つことが好きになった
学生プロレスを始める前の私は、人前で話すことが得意ではありませんでした。
ですが、試合では大きな声を出さなければいけません。
マイクパフォーマンスもあります。
お客さんを盛り上げることも大切です。
最初は緊張していました。
それでも経験を重ねるうちに、不思議と人前が好きになっていきました。
大きな声を出せるようになり、人に伝えることが楽しくなりました。
今、子どもたちの前で元気よく指導できるのも、この経験があるからです。
教室では、ただ運動を教えるだけではありません。
子どもたちが笑顔になる空間をつくることも仕事です。
その空気づくりは、学生プロレスで培われた力だと思っています。
トレーニングの考え方も変わった
学生プロレスでは、とにかく身体づくりが重要でした。
筋力。
柔軟性。
体幹。
持久力。
すべてが必要です。
だから、自然と「なぜこのトレーニングをするのか」を考えるようになりました。
その経験が、現在の体幹トレーニングや運動指導にも大きく活きています。
ただメニューをこなすだけではなく、「この動きにはどんな意味があるのか」を理解して伝えることができるようになりました。
経験が知識になり、知識が指導力につながっています。
子どもたちに伝えたいこと
私が学生プロレスで一番学んだこと。
それは、「努力は必ず何かにつながる」ということです。
努力したから必ず一番になれるとは限りません。
努力したから必ず夢が叶うとも言えません。
でも、努力した人には必ず成長があります。
昨日できなかったことが今日できるようになる。
自信がつく。
仲間が増える。
人から信頼される。
その積み重ねが人生を変えていきます。
私自身、プロレスを通じて人生が変わりました。
チャンピオンになれたこと。
団体の顔になれたこと。
人前で話せるようになったこと。
人を楽しませることが好きになったこと。
今、スポーツ指導者として働けていること。
そのすべてが、あの4年間につながっています。
だから私は、子どもたちにも伝え続けたいと思っています。
「できるかどうか」ではなく、「挑戦するかどうか」。
努力はすぐに結果が出るものではありません。
でも、積み重ねた努力は決して無駄にはなりません。
学生プロレスが教えてくれたこの言葉を、これからも指導者として伝え続けていきたいと思います。